糀調味料ってこんなにあるの!? ヨーグルトメーカーで簡単に作れる、いいこと尽くしの調味料レシピ

暮らし

公開日:2024/3/16

砂糖なし。お家で作る万能発酵調味料 糀の提案帖
砂糖なし。お家で作る万能発酵調味料 糀の提案帖』(こころのたね。yasuyo/エムディエヌコーポレーション)

 複雑かつ奥深い味わいで、肉や魚をしっとり柔らかくしてくれ、さらに腸内環境の改善も期待できる糀を使った調味料。筆者も「塩糀」が登場して以降、その便利さに魅了されて長く愛用しているが、最近は安価に市販されているため手作りからは遠のいていた。しかし、近年は塩糀や醤油糀、甘酒に加え、よりバリエーション豊かな糀調味料がSNSで注目を集めており、その影響で手作り熱が再燃している。

砂糖なし。お家で作る万能発酵調味料 糀の提案帖』(こころのたね。yasuyo/エムディエヌコーポレーション)は、従来からの基本的な糀調味料に加え、「和風糀」や「洋風糀」など幅広く紹介しているレシピ本。初心者や時間のない人でも失敗なく作れるよう、ヨーグルトメーカーを使って発酵させるスタイルだ。

 糀は、消化酵素「アミラーゼ」の働きでデンプンをブドウ糖に分解して甘みを出し、「プロテアーゼ」の働きでタンパク質をアミノ酸に分解して食材を柔らかくしてくれる。つまり、ちょい足しするだけでぐっと料理のクオリティが上がる万能調味料なのだ。筆者もちょうど先日ヨーグルトメーカーを手に入れたので、早速気になったものをいくつか作ってみることにした。

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「和風糀」(P.15)、「発酵キムチソース」(P.25)

和風糀、発酵キムチソース

 掲載されているのはすべて興味を引かれるものばかりだったが、本稿用に「和風糀」と「発酵キムチソース」をチョイス。「和風糀」は乾燥糀、天然塩、天然だしパック、淡口醤油、水を混ぜてヨーグルトメーカーにセットし、60度で8時間保温すれば完成。米粒が気になる人は、ブレンダーなどで攪拌するとより使いやすくなる。「発酵キムチソース」は、りんご、甘糀、塩糀、醤油、米酢、韓国唐辛子粉、刻み昆布、にんにく、生姜をフードプロセッサーに入れて攪拌すれば完成する。

「スタミナ焼き肉」(P.36~P.37)

スタミナ焼き肉

「発酵キムチソース」の活用例として紹介されていたのが、「スタミナ焼き肉」。熱したフライパンに油をひき、玉ねぎとにんにくを炒め、牛肉を加えてさらに炒める。肉に火が通ったら発酵キムチソースと黒酢を絡め合わせれば完成。

 塩糀と甘糀を使ったキムチソースを活用することで、あっという間に奥深い味わいの炒め物に。隠し味的にりんごのフルーティーさとみずみずしさも効いており、しっかり味なのに重くなりすぎないのも嬉しい。

「しらすとねぎのだし粥」(P.92)

しらすとねぎのだし粥

 続いて、「和風糀」を使った「しらすとねぎのだし粥」も作ってみた。鍋にごはん、水、和風糀を入れて3分ほど中火にかけ、器に盛りつけて、好みでしらすと刻みねぎ、クコの実、粉山椒をトッピングすれば完成。

 和風糀を使うことで、単純に出汁パックを活用したものとは比較にならないレベルの深いうま味が出て驚いた。うっすら味噌っぽさもあるが、味噌ではなく、ベースとしてはやはり醤油……という独特のコク深さと染み入る感覚を覚える。これはぜひとも定番に加えたい!

 どちらも糀調味料特有の深みがありつつ、使い勝手がよいので一度作っておくとさまざまな料理に活用できる。「発酵キムチソース」は、ポン酢と合わせてドレッシングとしても使ってみたくなった。もちろん上記のほかにも、多数の糀調味料と活用レシピが紹介されている。

 日々、味つけを一から始めると、時間の都合もあってどうしても似た味になってしまいがちだ。紹介されている糀調味料をうまく活用し、より充実した食生活を送っていきたい。

調理、文=月乃雫

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