失敗を寛大な心で許してもらえるかも? 太宰治の言葉を使ってスマートに謝罪/文豪のすごい言葉づかい辞典⑦

夏目漱石、太宰治、三島由紀夫など、文豪の語彙を解説。手紙、メールで使えば、より気持ちが伝わりやすくなる“すごい言葉づかい"が身につきます。文豪ならではの深い教養とあわせて、絶妙な言い回しを学びましょう。
『文豪のすごい言葉づかい辞典』(山口謠司:監修/宝島社)
画/shoyu
昭和の文豪・太宰治。『グッド・バイ』は、38歳で自死するわずか1か月前に執筆が開始された未完の作品。
海容
意味:相手の罪や過ちを許すこと。
よくある言い方:「この度は失礼をいたしまして、申し訳ございませんでした」
絶妙な言いまわし:「この度の失礼の段、ご海容くださいませ」
太宰治『グッド・バイ』より キヌ子にさんざんムダ使いされて、黙って海容の美徳を示しているなんて、とてもそんなことのできる性格ではなかった。何か、それ相当のお返しをいただかなければ、どうしたって、気がすまない。
海の字がもつ寛大さにあやかる
「海容」とは、「海のようにあらゆるものを受け入れる寛大な心で、相手の過ちや罪を許すこと」です。「海」の「容(器)」という、文字から受けるスケールの大きさも魅力ですから、ぜひ手紙やメール…