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ラウリ・クースクを探して

ラウリ・クースクを探して

ラウリ・クースクを探して

作家
宮内悠介
出版社
朝日新聞出版
発売日
2023-08-21
ISBN
9784022519269
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「ラウリ・クースクを探して」のおすすめレビュー

ダ・ヴィンチ編集部が選んだ「今月のプラチナ本」は、宮内悠介『ラウリ・クースクを探して』

 ※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2023年11月号からの転載になります。

『ラウリ・クースクを探して』

●あらすじ● 記者の〈わたし〉が探しているのはソ連時代のエストニアに生まれた無名の男性、ラウリ・クースク。黎明期のコンピュータ・プログラミングに魅了された彼は、親友のイヴァンやカーテャと共に充実した日々を過ごしていた。だがソ連は崩壊しエストニアは独立、彼らは時代の波に翻弄された。いま、ラウリはどこにいるのか? 〈わたし〉は彼の生まれた村や職場を巡り、ラウリの半生を追い始める。

みやうち・ゆうすけ●1979年、東京都生まれ。デビュー作『盤上の夜』で2012年に日本SF大賞、『彼女がエスパーだったころ』で吉川英治文学新人賞、『カブールの園』で三島由紀夫賞、『あとは野となれ大和撫子』で星雲賞(日本長編部門)をそれぞれ受賞。『偶然の聖地』『黄色い夜』など著書多数。

宮内悠介朝日新聞出版 1760円(税込) 写真=首藤幹夫

編集部寸評  

人生のハイライトなんて逆算できない なんとカッコいい小説だろう。無名の人物を追いかけるメタフィクションでありなが…

2023/10/6

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ラウリ・クースクを探して / 感想・レビュー

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starbro

宮内 悠介は、新作中心に読んでいる作家です。 著者の新境地でしょうか、エストニアの天才プログラマーの青春大河小説の佳作でした。現在のウクライナ侵攻もそうですが、ソビエト連邦崩壊により様々な悲劇があったんでしょうね。 https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=24352

2023/09/09

tetsubun1000mg

設定が旧ソ蓮の衛星国だったエストニアが舞台。 ITを国の政策として取り組み世界最先端のIT先進国という程度の知識でした。 幼年時から数字に対する異常な興味を持ち、やがてプログラムにハマるようになりゲーム作りが唯一の楽しみとなる少年が仲間を見つける。 しかしソ連からの独立を果たそうとするエストニアと、ソ連出身の少年たちは次第に離れていく。 終盤にラウリを探すジャーナリストの名前を聞いてからが驚き! そこから一気にそれまでの伏線が回収されて、エストニアの成り立ちまでが明らかになる。叙情的な演出が心地よい。

2024/02/03

hiace9000

民族、国家の分断がもたらす悲劇・惨劇の報道が日常化している現在。エストニアに生まれたラウリ・クースクの生きた軌跡から私は何を読み解けばいいのだろう。〈わたし〉は冒頭で語る。「ラウリという人物は人間存在の何を照射するのか。『何もない』」と。80年代から90年代にかけてのペレストロイカ〜ソ連と社会主義体制の崩壊という激動を、私はどこか対岸の火事のように劇場化して眺めていた。だがそこには時代の波濤を越え生きた多くの"ラウリたち"がいたのだ。「何もない」名もなき人々が営々と積み上げてきた今を、作品を通し再考する。

2024/01/08

タックン

旧ソ連のバルト三国エストニアで数学に興味を持ったとこからプログラミングに才能を出し天才少年と言われたラウリ。 そしてロシアの少年とプログラミングの賞の競い合いモスクワの大学を夢見る。 しかし旧ソ連の崩壊とエストニアの独立という時代の波に飲まれて、夢もかなわずプログラミングも止めてしまった。 ずっと題名が気になってきたけど、3章で探してた人の真相がわかった時に心が温まるいい話でした。 政治の話っぽくて難しいかなって思ったけど、さりげない感じで読みやすかった。 エストニアの自然描写が美しかった。

2024/01/22

はやたろう

バルト3国の一つエストニアで育ったラウリの物語。フィクションとノンフィクションの間みたいで、事実をたどってるような話。 ソビエト連邦崩壊、その前後に育ったラウリとカーテャ、そしてソビエト出身のイヴァン。小さい頃から、この先もずっと一緒にいようねと誓った3人だったが、社会情勢はそれを許さなかった。物語はそんなラウリを探す、誰か目線の話。

2023/12/26

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