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清算

清算

清算

作家
伊岡瞬
出版社
KADOKAWA
発売日
2023-11-30
ISBN
9784041127674
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会社がなくなり、2億円が消えた──二転三転する迫真サスペンス『清算』著者・伊岡瞬インタビュー

 ※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2024年1月号からの転載です。

 「最初に断っておきたいのですが、登場人物はすべて架空のキャラクターです。実際はとても家族的で温かい職場でした」  開口一番、伊岡さんがそう述べたのには理由がある。『清算』は、伊岡さんの実体験から着想を得たサスペンス。かつて勤めていた広告会社が解散・清算されることになり、その実務に携わった経験が生かされている。

取材・文=野本由起 写真=干川 修

「私は以前ある広告会社に勤務していました。入社後数年して例のバブル景気が到来し、今では考えられませんが、企業には広告費に糸目をつけないというような風潮さえありました。私の在籍した会社も恩恵を浴しました。しかし、夢の時間は長く続かず、やがてバブルが弾け、リーマンショックが追い打ちをかけ、長く続く不況の時代になります。赤字基調から抜け出す見込みが立たなくなったため、傷が浅いうちにと解散することになったのです」

 倒産を扱った小説はあっても、解散・清算を描いた作品は珍しい。そもそも両者には、どのような違いがあるのだろうか。 「乱暴に言ってしまうと、…

2023/12/7

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清算 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

いつでも母さん

これは伊岡さん?って感じの長編作品だった。とにかく畑井が良い人過ぎる!そして、畑井夫婦が素敵。会社を清算するって大変なのね・・「―まったく、どいつもこいつも」何度か出てくる言葉だが、畑井の気持ちが伝わる虚しさと可笑しさだなぁ。最後まで読んだけれど、正直言って私はいつもの(?)伊岡作品が好きだ。

2023/12/20

ma-bo

新聞社の子会社、広告代理店の「八千代アドバンス」は経営悪化により会社を解散する事が決まる。制作部の畑井は、畑違い(主人公の名前にかけてる?)の総務部長に任命され解散後の清算業務をする事に。解散にともなう苦労が中心の流れかと思ったが、負債の返済用資金2億円が入った通帳が消え、元社員が刺殺されたりと思わぬ方向に。途中間延び感があり読み進めにくい所がありつつも、真相が明かされ、畑井はその奥にある深い真相に気づく。最後のシーン。畑井が空を見上げた3月11日午後2時40分過ぎは東日本大震災が起こる直前↓

2024/02/25

hirokun

★4 任意解散による清算業務の大変さについて、いささかなりとも理解できたように思う。推理小説とお仕事小説を兼ね合わせた作品であるが、背景として臓器移植に関する医療政策への問題提起も含んでいるのか?大変興味深く読ませてもらったが、世の中は自分の事のみを考えて生きている人だけではなく、まじめに、正直に、勤勉に仕事に取り組んでいる人も少なからず存在し、その人たちによって生活が成り立っているという当たり前のことを再認識させられた様な気がする。

2023/12/27

ゆみねこ

経営悪化で会社を解散・清算することになり、全く畑違いの総務部長に任命された畑井伸一。経験のない会社解散の手続きと清算に頭を悩ませる中、負債の返済用資金二億円が元社員と共に消えてしまう。極秘にしていたことが漏れていたり、隠し事をしていたり、正直で小心者の畑井は翻弄される。真相は少し切なく、最後畑井が無事に清算を終えることが出来てホッとした。伊岡さんの作品には珍しいパターン。

2024/01/08

タイ子

会社が無くなる、そんな事態に直面したのが広告代理店「八千代アドバンス」の制作部に勤務する畑井。いやいや、そんな寝耳に水の話を突然言われても…。畑井はこれまで経験のない総務部部長に異動、清算業務をすることに。暫くの間、社内では内密に動くことに。意が痛くなるような任命を受ける。そんな中、金庫の中の通帳と印鑑が消えた。残高2億円、負債の返済用資金なのにどこに?同時に社員が消えた。誰もが疑心暗鬼の中、次々に現れる真実。小心者の畑井を支える妻の存在がいい。総じてものすごく面白いかと問われたら…うーん、まあまあ。

2024/04/10

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