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現象学の視線 (講談社学術文庫)

現象学の視線 (講談社学術文庫)

現象学の視線 (講談社学術文庫)

作家
鷲田清一
出版社
講談社
発売日
1997-10-09
ISBN
9784061593022
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現象学の視線 (講談社学術文庫) / 感想・レビュー

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Bartleby

著者の初期の論文を収録した著作。タイトルの通り、フッサールやメルロ=ポンティらの現象学を主題とした専門的な論文が並ぶなか、末尾には補論として長大なウィリアム・ジェイムズ論が収録されている。心理学やプラグマティズム、純粋経験論など多岐にわたるジェイムズの仕事を強力に結び合わせつつ、それらの根底にあったジェイムズの倫理的問いと態度を浮き彫りにするというもので、非常に読み応えがあり、個人的には一番面白く読むことができた。

2015/10/11

うえ

補論として最後に収録されているウィリアム・ジェイムズ論が目当てで。生の問題は何より経験の問題たるというジェイムズ論になる。「ジェイムズの思想の営みにおいて最終的な問題は《倫理》にあった。ジェイムズにとって、生きるということが、わたしがその根源よりして世界に投げだされたものであり、<わたし>の存在は<わたし>ではないものとの不断の交叉とそれによる<わたし>自身の変容という出来事を措いては考えられないという事実のうちに存するということ、まさにその点において、いかによく生きるかということが問題となるのであった」

2022/10/08

hayaok

フッサールやメルロ・ポンティの枠組みを利用した「日常」といった概念の腑分けをする現象学の実践。自分は浅学ゆえ、ジェイムズが意外と現象学に近いところに位置づけられることに驚いた。あと、必ずしも本書に関係するわけではないが、例えばメルロ・ポンティなんかは厳密に定義された熟語を使うというよりは、隠喩によって単純な言葉をうまくはめこんでくるので、その系統の文章を読むのは普通といくらか違う勝手で骨が折れる。

2012/01/22

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