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乱

作家
矢野隆
出版社
講談社
発売日
2014-05-15
ISBN
9784062189675
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乱 / 感想・レビュー

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優希

島原の乱を大胆に解釈した話になっているんですね。野生児として育った虎の窮地を助けたのが四郎でした。キリシタンの旗頭となった四郎にとって虎はなくてはならない存在だったように思います。四郎と虎の関係は互いを神として必要とする関係になっていったのではないでしょうか。四郎が終始弱々しかった分、野生児虎が引き立っていましたね。島原の乱は反幕府の浪人が多く参加していたため、殉教と認められなかった分、政治的見解を多く含んでいたという見解は納得がいきました。戦闘シーンも魅力的です。実在と空想を上手く混ぜていると思います。

2014/12/19

それいゆ

島原の乱は領主の悪政・迫害に抵抗した天草四郎を頭とするキリシタンたち全員が殉教する一揆であり、そこにはキリシタンたちの悲痛な叫びと死をも恐れない強い信仰心があり崇高なものだったのではないでしょうか?この新解釈の物語はキリシタンたちを愚弄しており残念です。史実に沿った話なら納得できますが、勝手な解釈でまったく異なるフィクションを作り上げただけのB級作品に憤りを感じます。

2014/07/07

ほうき星

天草四郎の詳しい話は知らなかったので読みました。今までヒーロー的なイメージがあったのですが、そんな華やかな人ではなく(美少年ではあったようです)、本当に真摯に信仰に篤く優しい少年だったのですね。切支丹迫害については数冊読んでいますが、改めて悲しい歴史だと感じました。

2015/03/11

Yukihiro Nishino

自らの私怨のため乱を興す父親たち豊臣恩顧の侍。その父親たちに無理やりカリスマにされる四郎。徳川の世を盤石にするために乱を欲する松平信綱。三者三様の島原の乱。 ある村で虎という者に出会った四郎は徐々に父親の呪縛から離れ自分を取り戻す。本当の自分を取り戻した時、それは死の瞬間だったのが悲しい。

2017/07/08

マサキ@灯れ松明の火

虎は親を亡くし、山で野生動物のように育った。ある日、村人に捕まり窮地に陥るが、四郎という少年に救われる。己を人として見てくれる四郎を自らの意思で守り始める虎。しかし、四郎の父や浪人達の邪心、江戸幕府の箍を絞めたい老中・松平信綱の思惑とが、2人を、そして、苦しむ農民達を「乱」という名の刑場へと引きずり込む。虎は純真な人であり、四郎も純真な人であった。故に、2人は「乱」に取り込まれてしまった。唯一の救いは、死を乗り越えた先で、2人の魂が呪縛から解き放たれたことだけであろうか………

2018/11/01

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