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medium 霊媒探偵城塚翡翠

medium 霊媒探偵城塚翡翠

medium 霊媒探偵城塚翡翠

作家
相沢沙呼
出版社
講談社
発売日
2019-09-12
ISBN
9784065170946
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「medium 霊媒探偵城塚翡翠」のおすすめレビュー

【2020年本屋大賞ノミネート】「すべてが、伏線。」読者は挑発され、気持ちよく騙される!? 連続死体遺棄事件に挑む霊媒探偵と推理作家のどんでん返しミステリー

『medium 霊媒探偵城塚翡翠』(相沢沙呼/講談社)

「すべてが、伏線。」

『medium 霊媒探偵城塚翡翠』(相沢沙呼/講談社)の初版帯には、黒い背景に金の箔押しでこう書かれている。タイトルに「探偵」と入るミステリー小説なのだから、伏線の回収があるのは当たり前だ。それでも、「すべてが」というくらいだから、さぞ読者を驚かせる仕掛けが用意されているのだろう。発売当初、期待を胸に書店のレジへと向かった。

 結果、本作は「このミステリーがすごい!」や「本格ミステリ・ベスト10」で第1位を獲得するほどの小説だった。さらに現在は「2020年本屋大賞」にもノミネートされており、ジャンルの枠を超えて評価されはじめている。そこで本稿では、改めて『medium』の魅力を語り、新たな読者を呼び込む一助としたい。

 大雑把に分類すれば、本作は「特殊設定ミステリー」だ。通常のミステリー小説は、幽霊や妖怪、魔法などの非科学的な存在は登場しない。「何でもあり」になってしまうからだ。しかし、それらの存在に法則性を持たせ、合理的に謎を解いていく小説も存在する。本作のヒロイン兼探偵役の…

2020/2/29

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「2020年本屋大賞」決定!! 大賞は凪良ゆう『流浪の月』 全ノミネート作の順位を発表!

 全国の書店員が選ぶ、いま一番売りたい本を決める「本屋大賞2020」の受賞作が4月7日(火)決定した。

 17回目となる今回のノミネート作品10作の中から大賞に選ばれたのは、凪良ゆう氏の『流浪の月』(東京創元社)!

2020年本屋大賞受賞作 『流浪の月』(凪良ゆう/東京創元社))

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翻訳小説部門の大賞は『アーモンド』(ソン・ウォンピョン:著、矢島暁子:訳/祥伝社)

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気になる残り9つのノミネート作品は?

2位『ライオンのおやつ』(小川糸/ポプラ社)

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3位『線は、僕を描く』(砥上裕將/講談社)

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4位『ノースライト』(横山秀夫/新潮社)

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5位『熱源』(川越宗一/文藝春秋)

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6位『medium 霊媒探偵城塚翡翠』(相沢沙呼/講談社)

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7位『夏物語』(川上未映子/文藝春秋)

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8位『ムゲンのi』(知念実希人/双葉社)

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9位『店長がバカすぎて』(早見和真/角川春樹事務所)

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10位『むか…

2020/4/7

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気になる大賞はどの作品に!?「2020年 本屋大賞」ノミネート10作品発表!

2020年1月21日(火)、全国の書店員が選んだ一番売りたい本「2020年本屋大賞」のノミネート作品が発表された。大賞の発表は、4月7日(火)。

 今年の「2020年本屋大賞」は全国の477書店、書店員586人の投票によりノミネート作品を選出。ノミネートされたのは以下の10作品だ。

 

■2020年本屋大賞ノミネート10作(作品名五十音順)

『線は、僕を描く』(砥上裕將/講談社)▶【レビュー全文はこちら】

『店長がバカすぎて』(早見和真/角川春樹事務所)▶【レビュー全文はこちら】

『夏物語』(川上未映子/文藝春秋)▶【レビュー全文はこちら】

『熱源』(川越宗一/文藝春秋)▶【レビュー全文はこちら】

『ノースライト』(横山秀夫/新潮社)▶【レビュー全文はこちら】

『むかしむかしあるところに、死体がありました。』(青柳碧人/双葉社)▶【レビュー全文はこちら】

『ムゲンのi』(知念実希人/双葉社)▶【レビュー全文はこちら】

『medium霊媒探偵城塚翡翠』(相沢沙呼/講談社)▶【レビュー全文はこちら】

『ライオンのおやつ』(小川糸/ポプラ社)▶【インタビューはこち…

2020/1/22

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medium 霊媒探偵城塚翡翠 / 感想・レビュー

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W-G

このミスランキングから。書店で良く見かけた記憶はあったが、全くのノーマークだった作品。最終章でどんでん返しがあることは前情報からある程度覚悟。それ故に、インタール―ドに登場するシリアルキラーの正体は分かりやすいので、その先にもう一段仕込まれていると、今となっては明白なのは仕方がない。どんでん返しにも、人によって好みがあるので、「ふ~ん…」で終わる読者も多そう。この本の良いところは、ラストの驚きのシンプルなインパクトでも、充分に勝負出来る上に、本格として、推理の構築方法に新しい見せ方を提示したところだろう。

2019/12/13

starbro

2019年の国内ミステリランキング1位になってから、図書館に予約したので、コロナ禍もあって漸く読めました。相沢 沙呼、初読です。最初の方はこれが本当にミステリ1位、本屋大賞6位なのと思って読んでいましたが、第三話、最終話とドンドン面白くなり、2019年の各種勲章は納得です。 http://kodansha-novels.jp/1909/aizawasako/ 相沢 沙呼は、女性作家だとばかり思っていたら、思いっ切りオジサンの男性作家でした。 https://news.kodansha.co.jp/8090

2020/07/02

パトラッシュ

某少年探偵は「真実はいつもひとつ」と断言するが、真実に至る過程がひとつとは限らない。これが霊媒師と推理作家がダブル探偵を務める本作の隠れたテーマだ。霊視で殺人犯を見抜く探偵を論理的にどう説明するかという難問を巧みにかいくぐってみせる第三話までは本格ミステリとしての高い完成度で読者を満足させるが、最終話でそれまでの物語を完全に否定してのける手腕は見事だ。今年の本格ミステリ大賞と推理作家協会賞のダブル受賞も夢ではない。ただ今後続編が書かれるとしても、ヒロインの真実を知ってしまった読者を騙すのは難しいだろうが。

2020/03/10

海猫

帯に「2冠!第1位」(現在は3冠)と書いてあるし、多数の推理作家陣による称賛のコメントを読むとどうしてもハードルが上がる。作家の香月史郎と霊媒の城塚翡翠が、コンビで殺人事件を解決していく連作短編集。まず翡翠が美人で言動行動が可愛らしくミステリアスな雰囲気も相まって、かなり萌える。各話軽快なので、食感がライト文芸っぽい。そう思い、読んでいくと思いきりしてやられた。実は予想以上にロジカルに組まれた作品で、ライトどころか確かに本格ミステリの味わい。ハードルを余裕で超えてくる内容に納得させられる。読んで良かった。

2020/01/21

青乃108号

折角の休みなので、まる1日かけて読了した。投げ出すような事もなかったので、面白く読めたのだとは思う。しかし読みながら疑問に思った事が。なぜ、この本の内容で第1話から最終話、という一見短編集に見える体裁をとったか?いや、ふつうに章立てで、1章~最終章という区切りで、長編に仕立てる方が自然だと思ったのだ。最後まで読んで、なるほどそういう事か、と。ブツ切りの各話読み切りスタイル、の印象を与えておいて、最終章まで読んだ時にあれあれ全部ひっくり返って繋がってと。そこら辺の驚きを強化する為の1つの手段だったんだね。

2022/01/07

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