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漆花ひとつ

漆花ひとつ

漆花ひとつ

作家
澤田瞳子
出版社
講談社
発売日
2022-03-02
ISBN
9784065266618
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漆花ひとつ / 感想・レビュー

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starbro

澤田 瞳子は、新作中心に読んでいる作家です。平安末期、平家全盛期の渋めの連作短編集、オススメは「白夢」です。 https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000360922

2022/03/24

とん大西

上皇と天皇の政争に武士の台頭。京の都は典雅と表裏一体の荒廃。平安末期というのは、想像以上に混沌としてて世も末の有り様だったのかもしれません。若き僧坊や医師、宮中の女房。後白河院や平清盛がスポットライトを浴びる中、名もなきバイプレーヤーたちの日々、そして刹那。朝廷の人物相関がややこしくて若干の読み辛さはあるものの市井の息遣いを感じられる渋い短編5話。『白夢』は諦念と執念のコントラストが特徴的です。

2022/05/01

のぶ

平安時代後期を舞台にした短編集。それぞれの物語は独立していて作品ごとの関連はない。ただ、どこか共通しているのは、武士の台頭を告げる都で、政をつかさどる天皇、上皇やその周辺の人たちを中心に描いた様々な話だった。今回の澤田さんの作品は登場人物も多く、自分にはやや難しかったが、丁寧で美しい筆致で、高貴な人たちや中、下層の人たちを映し出したそれらは、その時代を見事に伝えていて、あたかも自分が平安の時代に連れていかれたような印象を受けた。長さの割には読むのに時間がかかったが、読んで損のない一冊だと思う。

2022/03/11

モルク

平安時代末期、平、源氏ら武士が台頭してきた時代を舞台とした5話の短編集。上皇や天皇そしてそれに取り入ろうとする公家などが権力争いをするなかで翻弄されながら生きた中流下層の人々を描く。最後は今後の武家社会を予見させる形で終わる。「影法師」には鎌倉殿…の文覚が登場し、こんなところでの再会。宮中の女医目線の「白夢」が好き。どの話も「やられたー」と思わせる。やっぱりうまい!

2022/11/03

タイ子

澤田さんは歴史に埋もれた裏の歴史、いや人物をスポットライトに当てるのが本当に上手い。おかげで読者としては一つも二つも歴史を楽しむことが出来る。本作は平安時代末期、これから源平合戦が始まり大河ドラマの時代がやってくる少し前のお話。5つの連作短編集。何が原因であの歴史に残るような事が起こったのかとか、清盛が荒れる朝廷を見事な采配でまとめてくれるとか、裏で支える女房たちの賢さと生き様が知らなかったこの時代を教えてくれて面白い。今の時代に通じる人間の絆、本性が見えてきて尚楽しめる。

2023/03/15

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