教室に並んだ背表紙 (集英社文庫)
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この夏、一冊分おおきくなろう。集英社文庫「ナツイチ2023」
※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』8月号からの転載になります。
集英社文庫、夏のフェア「ナツイチ」が今年もスタート! ワクワク、ハラハラ、ドキドキ、フムフム。読み終えたころには、ひと回りおおきな自分に出会えるはず。さあ、この夏もいっぱい文庫をよまにゃ!
よまにゃ●読書が大好きな、集英社文庫のキャラクター。口癖は「よまにゃ」。 ©Noritake
(文=野本由起)
ナツイチとは? 毎年恒例、集英社文庫のサマーフェア。フェア参加書店で対象文庫を1冊購入すると、その場で1つ「よまにゃ画面クリーナー」をプレゼント。さらに、特設サイトでは人気声優5人の朗読動画を公開中!
今年読むならこの7冊から!
「思い込み」や「決めつけ」を子どもたちが鮮やかに翻す!
『逆ソクラテス』 伊坂幸太郎 集英社文庫 792円(税込) 「先生の先入観を崩してやろうよ」─生徒の優劣を決めつける担任教師に一矢報いるため、6年生の僕らはある作戦を決行する。表題作をはじめ、収録された5 編はすべて小学生が主人公。「僕は、そうは、思わない」と先入観を覆す彼らの姿が、清々しくも眩しい。
 …
2023/7/6
全文を読む夏の文庫フェア「ナツイチ」が今年もやってきた! 豪華声優陣の名作朗読や「よまにゃ」グッズの配布など気になる企画が目白押し
夏の風物詩とも言える集英社の文庫フェア「ナツイチ2023」が、2023年6月20日(火)からスタートした。全国の参加書店で「ナツイチ」の対象作品を購入すると、「よまにゃ画面クリーナー(全4種)」をその場で一つプレゼント。ほかにも豪華声優陣が名作を朗読するキャンペーンや、毎年恒例の限定カバー版文庫なども登場し、夏の読書に彩りを添えている。
今年で33回目を迎える「ナツイチ」は、若い世代へ読書の素晴らしさを伝えるために実施されている文庫フェア。7月21日は語呂合わせで「ナツイチの日」と呼ばれており、毎年6月下旬から9月下旬までを「ナツイチ」期間としてフェアを開催している。
今年は6月20日(火)から9月30日(土)まで、全国およそ4000軒の書店で実施されるという。
「ナツイチ2023」の対象作品は81作品がラインナップされており、中でも目玉とされているのが、伊坂幸太郎の『逆ソクラテス』。2020年4月24日(金)に発売された同書は、「ナツイチ」フェアの開催とともに文庫本として再登場を果たした。
『逆ソクラテス』(伊坂幸太郎/集英社文庫)
ほかにもビー…
2023/6/28
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教室に並んだ背表紙 (集英社文庫) / 感想・レビュー
芳樹
【単行本既読】それぞれ悩みを抱えた女子中学生たちに焦点を当てた、六編の小品からなる連作短編集。文庫で再読です。やはりサコモコ文学は心に沁みるな…。人の人生を一冊の本に例えるなら、教室に並んだ子供たちの背中はさながら本棚に並んだ”背表紙”のよう。だからこそ、手に取って文章に触れたとき共感してずっと読んでいたいと思うこともあるし、相容れなくて本棚に戻すこともある。改めて、美しく心に深く突き刺さる素敵な標題であるとしみじみ感じました。
2023/06/20
ぼっちゃん
文庫で再読。中学校生活で生きづらさを感じている女の子たちが、物語に出会うことで少し前向きになっていく6つの連作短編。恋愛、部活、友情も出てこず、結末がはっきり描かれているわけではないが、学校生活に生きづらさを感じている人たちにお薦めの物語でした。勧められた本を探すシーンで『せ』のところではなく、『ち』のところは探した?というのが2回ほど出てきましたが、これは何を指しているのだろう??
2023/06/25
エドワード
背表紙―何と魅力的な言葉だろう。本の背表紙の並ぶ本棚を眺める時は至福の時だ。しかし学校では本好きは陰キャと呼ばれる。読書は独りでするもの。仲間が多いことを良しとする学校では、読書を奨励する傍で読書を蔑むのだ。私の中学時代から全く変わらない。かくして本の好きな生徒はしばしばシカトされ、本にカバーをかけ、図書室へ逃避する。彼女たちを見守る、司書のしおり先生。読書の楽しみを色々な形で教えてくれる。本の成り立ち、装幀、紙の手触り、栞、花布。私は本というモノが好きなのだ。電子図書が普及発展しても、紙の本よ、永遠に。
2023/08/19
よっち
中学校の図書室を舞台に、クラスや友人たちとの言動に馴染めない違和感や未来への不安、同級生に対する劣等感など、思春期の少女たちを繊細に描く連作短編集。図書室にやってくる苦手なクラスメイト、新たに赴任した学校司書と見つけた未来への手紙、ゴミ箱に捨てられた課題図書の感想文、変わってしまった友人への複雑な想い、自分を認めてくれた友人、ふとしたきっかけから教室に居場所がなくなる孤独など、教室の中に居場所を見つけられない主人公たちが見出すささやかな繋がりが優しくて、そんな繊細的な描写がとても著者さんらしい物語でした。
2023/06/19
星野流人
教室にどことなく居場所のない中学生の女の子たちと、司書のしおり先生の交流を描く連作短編集。相沢沙呼さんなのでガッツリミステリなのかなと思い込んでいたのですが、どちらかというと思春期の悩める女の子たちの心にそっと寄り添う素敵な小説でした。生徒たちに寄り添うしおり先生の存在が素敵で、改めて本というものの素晴らしさも感じられたり。まだ何者でもない女の子たちの、些細だけれどでも切実な悩みを読んで、しおり先生や本とのふれあいを通じて立派に育っていけたらいいなと思ってしまいますね。
2023/11/26
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