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少年籠城

少年籠城

少年籠城

作家
櫛木理宇
出版社
集英社
発売日
2023-05-10
ISBN
9784087718270
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少年籠城 / 感想・レビュー

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いつでも母さん

ここまで現実は酷くないよね?って心の中で誰かに聞いていた。もっと厳しい面もあるかもよ。って誰かの声が聞こえた気もした。孕んだ時から女は母になるけれど、産んだだけで母と呼ばれる女もいる。女だけの所為なのか・・全てのピースがハマっても気持ちは晴れない。生まれた瞬間から残虐な子はいない‥しわ寄せはいつも弱き者に向かう。いつもよりグロさは控え目ながら、ズシリと楔を打ち込まれた感じの櫛木さんの最新作だった。子供が犠牲になる事件は辛い。私に出来ることは何?

2023/06/01

モルク

地方の温泉街泥首地区。ここでは日中学校に行かずうろつく子が多い。そして突然いなくなる子も…河川敷で男児の惨殺遺体が見つかり15才の問題児当真が疑われるが、彼は警官から拳銃を奪い手下慶太郎と共に子供食堂に4人の子供と店主を楯に立て籠る。店主司と刑事幾也は泥首の幼馴染み。携帯で繋がりながらも少年と言えど姑息な当真との駆引きはうまくいかない。ネグレクト、住民票がなく学校に行けない…様々な問題を抱えた子供たち。こんな方法でしか声をあげられないのか。殺されでもしない限り社会は取り上げないとの言葉に衝撃を受ける

2024/04/23

ちょろこ

重い、痛い一冊。ずっと石が詰まったリュックを背負っている気分だった。子供を狙った猟奇殺人事件を機に起きた少年達による食堂立てこもり事件。そこで炙り出された地域社会はまるであきらめという社会だ。生きる、学ぶ権利を当たり前に得られない子供たちの叫びが痛い。本を一冊読めるようになりたいという、容易が容易でないやるせなさがたまらなく心に痛い。役立たず、非力、後悔、自分達を卑下する司たちの姿も印象的。小さき声に耳を傾ける、当たり前が当たり前でない社会が今ある現実。弱者に差し伸べるべきなのが社会、大人、親の手なのに。

2023/06/29

reo

つい最近読んだ薬丸岳氏の「罪の境界」もネグレストや幼児DVに纏わる話だった。そのようなものを特に選んで読んでいる訳ではないが、そういう本に偶々行き当たる。これも時代かも。櫛木理宇氏初読み、立てこもりサスペンスミステリーとして序盤から最後まで息をつかせない巧みな展開が最高。文章の切れ情況描写ともにGOOD(^^)/お薦めです😄

2023/08/24

ma-bo

地方の温泉街で見つかった男児の遺体。犯人と疑われた少年二人は警察官から銃を奪い、子供と店主を人質に食堂に立て籠もる。自分たちは犯人ではない、真犯人を見つけて謝罪させろと要求して。閉鎖的でピンクカラー強めの温泉街という特殊な地域とはいえ、ネグレクトや貧困問題、性的虐待、居住不明児童等の問題が投げかけられている。「世間は死んだ子ともにしか興味がない。死んで初めてかわいそうと言ってもらえるんだ。そんなのはいやだ。自分の声をみんなに聞いてほしかった。」「学校に行きたい、馬鹿のままはいやだ。勉強したい。」↓

2023/07/17

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