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アマニタ・パンセリナ

アマニタ・パンセリナ

アマニタ・パンセリナ

作家
中島らも
出版社
集英社
発売日
1995-12-15
ISBN
9784087741742
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アマニタ・パンセリナ / 感想・レビュー

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鉄之助

メルヘンチックな表紙にだまされてはいけません。「毒」がいっぱい。アマニタ・パンセリナとは毒きのこのテングタケ。著者のドラッグに関する"体験的"エッセイ集だった。時には干したサボテンや毒キノコを食し、ガマの油をなめ、咳止めシロップを一気飲み…。ありとあらゆるドラッグが登場。一時的「気持ちいい」と苦しさが怒涛のように押し寄せる。結果、得られたのは、「自分で自分に愛想をつかせても生きていける。自殺しちゃいけない」。中島は、40歳までに何と87回!自ら愛想尽かしをしていた。それでも、生き、書いた。パワーをもらった

2020/08/05

すだち

物書きによるドラッグ記という点で興味深い。幼児のくるくる遊び、ブランコ、滑り台と同じ位相にドラッグはあると言う。平衡を失い、酩酊を味わう快感。好奇心旺盛というか、怖いもの知らずというか。怪しげなサボテン食べたり、咳止めシロップをがぶ飲みしたり、まあ、よくやるわ。禁断症状は地獄のどん底で、摂取後は一気に高揚(実は普通に戻るだけ)というふうに理解。アマニタ・パンセリナは毒キノコの和名。ヒロポンの語源は疲労がポンと回復。特攻隊の話や感覚の異変など知らないことがたくさん。本でしか知れないので貴重。

2023/06/06

ホークス

らも氏にしか書けないドラッグ漫遊記。サービス精神と反骨の関西魂プラス無垢な知性。負に半ば侵された者のデビルマン的強靭さが滅びの美となる。覚醒剤は「思考が精緻で広汎であるような錯覚をもたらす。作家には向かないが、依存患者的読者を相手にするなら有効」。アルコールは立派なドラッグだが耽溺迄のプロセスがあり、覚醒剤はいきなり中毒にする点でより邪悪。ドラッグへの依存性も含め様々な心性が存在するのは体質と同じで、無視しても解決はしない。場への同化を強いる因習もまた集団的依存であり、ドラッグ同様タチが悪い。

2017/05/01

DEE

この奇妙なタイトルは有名毒キノコのテングタケの学名だそうだ。 ガマの油から始まり、咳止めシロップ、毒キノコ、睡眠薬、幻覚サボテン、そしてもちろんアルコール。なぜ著者はここまでぶっ飛びたいのか。それは「気持ちいいから」という。清々しいくらいの潔さだ。 でもアル中に加えて重度の鬱病も抱えながらの生活はしんどかっただろうな。

2020/05/12

そうたそ

★★★☆☆ 薬物エッセイ。危険な香りのするものばかりだが、自分のまるで知らない世界を覗いているようで興味深くもある。もちろん踏み込みたくはないが。最近、若者の間での咳止め薬の乱用がニュースになっていたが、本書にもその話題が。ブロンの乱用って、この頃からずっとあるんだなあ、と。

2019/09/28

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