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この部屋から東京タワーは永遠に見えない

この部屋から東京タワーは永遠に見えない

この部屋から東京タワーは永遠に見えない

作家
麻布競馬場
出版社
集英社
発売日
2022-09-05
ISBN
9784087880830
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プロフィールはたった一言「1991年生まれ。」のみ。謎多き文学の新星・麻布競馬場に迫る!

 2022年9月、これまで誰も通ったことのないルートから新たな一般文芸の書き手が現れた。Twitterで小説を書き、厳選20本を収録した単行本『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』で本格デビューを果たした、麻布競馬場だ。突然変異種出現に至る、「ウェブ発一般文芸」の系譜を辿る。 (文=吉田大助)

 ウェブの世界から、一般文芸の新しい書き手が現れるようになって久しい。例えば、芥川賞作家の本谷有希子は、自身が主宰する劇団のホームページに掲載していた小説『ほんたにちゃん』(のちに加筆修正して単行本刊行)を読んだ編集者に声をかけられ、短編小説で商業誌デビューした。直木賞作家の米澤穂信は、自身のホームページ「汎夢殿」に発表していた小説の中でも反響の大きかった『氷菓』をライトノベル系の新人賞に応募し、受賞作でデビューしている。住野よるのデビュー作『君の膵臓をたべたい』は、小説投稿サイト「小説家になろう」に発表されていた作品であり、逢坂冬馬のデビュー作にして本屋大賞受賞作『同志少女よ、敵を撃て』は、Web小説サイト「カクヨム」に投稿された作品だった。『へぼ侍』…

2022/10/14

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この部屋から東京タワーは永遠に見えない / 感想・レビュー

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yasunon

相性:★★★☆☆ 抜粋:P.14 偉そうな人にも必ずその人だけの地獄の苦しみがあります。だからこそ強がっているのです。 所感:140文字毎に区切られている文章が新鮮。30歳になり、ふと自分の人生を振り返って、何者にもなれていない(と思いこんでいる)と嘆く登場人物たち。その暮らしは、誰かが諦めたり、叶わなかったりしたステータスなのに。勝手に誰かと比べて、勝手に傷ついて、勝手に妬んで。他人を見上げて卑屈になっても、見下して優越感に浸っても、その先には幸せはないと気付かせてくれる物語。しらんけど。

2022/09/22

R

嫌な気持ちになる話ばっかりで気が滅入ってしまった。東京に住んでる人は、大なり小なりこんなことに血道をあげて、人生を費やしているのかと思うと、田舎暮らしに憧れるのも解るとか思ってしまった。実際は狭い範囲内なんだろうけども、マウントをとることでしか維持できない世界や生き方があって、そこに囚われた人たちの阿鼻叫喚が読めるようだった。当てつけのように朝井リョウの名前が出てきてて、その差は、まさにこの読み応え、読み味そのものなんだろうなと思うほど、救われないでいる人が見えるようで嫌だった。

2023/04/24

やっさん

★★☆ どの作品も劣等感や手詰まり感がにじみ出てて、読んでるうちにネガティブになる。東京に住むとこんなに人と比べ、こんなに背伸びして生きることになるの?・・・部屋から東京タワーなんて一生見えなくていいや。

2023/05/10

ゼロ

東京で生きる早慶出身の30歳若者のリアルを描く20の短編集。20の短編集は、それほどバラエティ溢れるものにはなっておらず、同じテーマをずっと語っている印象はありました。共通して、学歴コンプレックス(東大ではなく、早慶)であり、人を見下す(地方より東京が優れている)性格であり、無能である登場人物が出てきます。読んでいて気持ち良いものではなく、港区女子のような思考を持っている。なんか勉強はできるけど、人間関係や趣味がなく、虚構に生きている。元々Twitterやnoteに投稿していたらしく、今時のお話でした。

2023/10/30

キク

文学的深みはない。エンタメとしての技量もない。でも、個人的には刺さった。テストの成績はそこそこ良くて東京の有名大学に合格した地方の男の子達と、勉強は苦手だけど可愛くはある女の子達が、港区に吸い寄せられる様を描いた短編集。僕は学力を免罪符にして、空はないけど匿名性はある東京にうまいこと紛れ込んだという自覚があるので、どうしても刺さってしまう。その少年達とその少女達は、同じ港区にいながら出会えなかった。「The boy never met the girl」誰とも出会えなかったし、何者にもなれなかった。切ない

2024/03/17

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