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令和元年の人生ゲーム

令和元年の人生ゲーム

令和元年の人生ゲーム

作家
麻布競馬場
出版社
文藝春秋
発売日
2024-02-21
ISBN
9784163918082
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「令和元年の人生ゲーム」のおすすめレビュー

リアルに描かれた、令和を生きるZ世代の焦燥感や人生観。あなたは彼らのどんな未来を想像するだろうか?

『令和元年の人生ゲーム』(麻布競馬場/文藝春秋)

ツイッターにツリー形式で投稿した小説が話題となり、2022年にショートストーリー集『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』(集英社)を出版した麻布競馬場氏が、昨年から『別冊文藝春秋』に連載していた小説『令和元年の人生ゲーム』が一冊にまとめられた。本作は「平成28年」から始まり「平成31年」「令和4年」を経て、第4話「令和5年」と4つの時代と物語がつながる連作短編集だ。

西暦では2016年である第1話「平成28年」は、麻布競馬場氏の母校である慶應義塾大学が舞台だ。主人公は大学生によるビジネスコンテストを運営するサークル「イグナイト」に所属することになった徳島県出身の新1年生。彼は「大学時代は将来にとって意味のある、価値のあることをしなければならない」と現実的かつ正しく物事を考えているが、当初の思いや憧れがだんだんとズレていくことに戸惑い、うっすらとした焦りを感じるようになる。続く「平成31年」は人材系企業の女性新入社員、「令和4年」は鉄道会社の男性サラリーマン、「令和5年」はPR会社の男性サラリ…

2024/2/21

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令和元年の人生ゲーム / 感想・レビュー

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ごみごみ

デジタルネイティブで人との繋がりが得意ないわゆるZ世代・・この作品を読んだところで「Z世代のトリセツ」ってほど彼らを理解することは出来なかったけど、みんながみんな要領よくあざとく生きてる訳じゃなく、いろんなタイプの人がいるんだな、と当たり前のことを思った。私にもZ世代の娘が2人いるけれど、全くタイプが違うしね。

2024/04/22

rosetta

★★★★☆初読みの作家さんだがとても気に入った。高い学歴(最低でもMARCH笑)と高い意識のZ世代小説であり、ブロマンスとロマンシス小説。カラフルな表紙と裏腹に、何を決めれば正解なのか誰に付いて行けば正しい場所に辿り着けるのか、至極真っ当に思索する。皮肉屋で正論を吐き、でも本当は熱いツンデレな沼田をキーパーソンにH28からR5まで四つの短編集。タイトルの令和元年は出てこないけど。三話目のシェアハウスの話が戯画化を徹底していて面白かった。「正しいことは楽しいなあ」なんてまるで宮沢賢治の童話の文章のようだw

2024/04/11

道楽モン

Z世代の就職活動や社会人の生態をシニカルな視点&ラノベ的軽快さで描いている。途中までは共感と同情、若者特有の自意識の恥ずかしさに失笑しながら読んだが、現実はこれに近いのだろう。指針として尊敬に足る年長者の不在や、資本主義への洗脳と行き詰まりと将来への不安が、登場人物たちの迷走と狂った価値観を生み出している。中学生がイキガッて喫煙をする様に、若き世代は先行世代の駄目な部分を継承する。彼らを揶揄することは簡単だが、そうした姿勢は社会の駄目さを棚に上げ自己満足する傲慢さだと気づくべき。我々は現代の当事者なのだ。

2024/03/10

まさおか つる

人間は価値を生むための装置でもないし、競争で勝つための機械でもないんですよ。さっきも聞いてて思いましたが、君は他人の目を気にしすぎているんじゃないですか? 僕みたいに、くだらない人生ゲームから降りてしまって、コースの外でのんびり猫でも撫でてるほうが幸せですよ。ほら、まずはリハビリとして、ヨシハラと仲良くなったらどうです。

2024/03/10

はじめさん

東京というゲーム。学生起業サークル・メガベンチャー・エリート学生シェアハウス・地域再生プロジェクト…4つの章に分かれ平成28年、31年、令和4年と5年。どれもキラキラしてタワマン低層階くらい購入できる未来の可能性が高い人々が主人公ながら、どの章にも登場する皮肉屋の沼田。誰よりも起業について知識を得ても代表選に敗れてサークル辞めるでなく燻り、社会人になって才能はあるが定時退勤COL優先、チューターとして学生らにマウント取るわけでもなく放任的な…そして最終章での変貌。一年でなにがあったんだよ沼田、なぁ答えてよ

2024/05/06

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