精霊の守り人 (新潮文庫)
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「精霊の守り人 (新潮文庫)」のおすすめレビュー
年代を超えて愛される、上橋菜穂子の『守り人シリーズ』――全14巻に及ぶ壮大な物語を作品ごとに紹介①『精霊の守り人』
『精霊の守り人』(上橋菜穂子/新潮社)
なんで、自分なのだろう。
理不尽な目に遭い、思いがけない重荷を背負わされたとき、そう思った経験のある人は少なくないだろう。やりきれない葛藤は、時間を経るごとに怒りや悲しみを生む。その感情をコントロールするのは、容易いことではない。しかし、感情のままに己の刃を振り回せば、不必要に人が傷つく。
『精霊の守り人』に登場するチャグムは葛藤を抱える者、バルサは葛藤を抱えながらも、刃を収める術を身につけた者である。
なんで、自分なのだろう。
答えのない問いに道を阻まれるたび、私は、この物語の扉を開く。作中にちりばめられた、あらゆる台詞から力を得るために。
1996年、偕成社より初版が刊行されたファンタジー長編小説『精霊の守り人』。新潮文庫のあとがきに、著者である上橋菜穂子はこう綴っている。
「本書『精霊の守り人』を書きはじめたとき、バルサとチャグムの物語を十年以上にわたって書き継いでいくことになろうとは、夢にも思っていませんでした。」
全14巻にも及ぶ壮大な物語の序章ともいえる作品、それが『精霊の守り人』――著者の代表作…
2022/12/1
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精霊の守り人 (新潮文庫) / 感想・レビュー
抹茶モナカ
女性の槍の使い手バルサが、精霊の守り人という立場にされた皇子チャグムを守りながら、旅をするファンタジー。チャグムは苛酷な運命を乗り越え、成長する。30歳のバルサを中年と呼んでいる箇所があって、「ノー!」と思った。中年は、もう少し先!
2015/01/14
zero1
壮大な異世界ドラマ、ここに開幕!短槍の使い手、バルサは第二皇子チャグムの用心棒を妃から依頼される。精霊の卵を産み付けられたチャグムは帝から命を狙われていた。バルサは皇子を連れ館を抜け出すが、「狩人」が追っていた。死闘を繰り広げるバルサ。チャグムを守れるのか?呪術師トロガイや弟子でバルサの幼馴染タンダ、星読み博士のシュガなど脇役も多彩。人生の勘定ってしてしまう。読者の年齢を選ばない名作。このシリーズを読むことで、私の読書は幅が広がった。その意味で感謝している。全巻読んでいるが再読。「闇の守り人」に続く。
2019/05/27
海猫
再読。あれ?こんなにアクション激しい内容だっけな。まあとにかくお話を忘れてたおかげで、まっさらな気持ちで楽しく読めた。活劇としてもファンタジーとしても面白く、なぜ以前の自分が一冊目以降読もうとしなかったのかわからない。ちょい説明過多なのが気になる、ぐらいしか言うことがない。んでこのあたりの設定も後々シリーズとして効いてくるんだろなあ、と。ということで今回は続けて読んでいこう。
2016/03/18
どんちん
アニメの原作を読むか、という軽い気持ちであったが、正直、けっこう奥が深いストーリーで、これほど続編があったとは知らなかった。ファンの皆様、失礼しましたというところだw また、異世界ファンタジーという(と呼ばれる)話を読むのは久しぶりではあったが、とてもスリリングに読むことができた。「子どもが読んでも、大人が読んでもおもしろい物語になったか(筆者あとがき)」、十分になっていると思います。
2013/12/01
遥かなる想い
綾瀬はるか主演のドラマ化に伴い読了。 異次元ファンタジーの世界は苦手だが、 映像を見た後なので、読みやすい。 バルサが守る王子チャグム..自然と映像が 浮かんでくる感覚は独特で楽しい。 ドラマでは吉川晃司演じる義父ジグロの 存在が韓国ドラマ「チュモン」を想起させたが、 原作はやはりバルサとチャグムの冒険の 物語だった。
2016/04/16
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