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のち更に咲く

のち更に咲く

のち更に咲く

作家
澤田瞳子
出版社
新潮社
発売日
2024-02-15
ISBN
9784103528326
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のち更に咲く / 感想・レビュー

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starbro

澤田 瞳子は、新作中心に読んでいる作家です。NHK大河ドラマ『光る君へ』の関係で、この時代を書く作家が増えています。紫式部の人となりが良く解ってないだけに色々創作出来るんでしょうが、ミステリ仕立てにしなくてもという感じでした。 https://www.shinchosha.co.jp/book/352832/

2024/03/28

パトラッシュ

犯罪加害者の家族が生きるのに苦労するのは平安時代も同じという話かと思わせながら、いつの間にか都を騒がす盗賊一味が亡兄と繋がっていたと知る女が真実を探るドラマへと変貌していく。道長夫婦や紫式部も絡んだ藤原氏の天下をも揺るがす秘密が暴かれ、そこには『源氏物語』が書かれた事情までも込められていたとは、従来のストレートな歴史小説とは異なるが著者の構成力の巧みさが存分に発揮されている。『光る君へ』でも描かれる天皇の外戚として権力を握る藤原氏の冷徹な政略が、裏では女の気持ちひとつで崩れる脆いものだった衝撃は深く重い。

2024/03/15

ちょろこ

もう一つの平安絵巻の一冊。面白かった。藤原道長邸で働く女房 小紅を軸に、藤原道長、袴垂、紫式部、和泉式部を存分に盛り込んだ、もしかしたら…のもう一つの平安絵巻物語。大河ドラマでも印象的だった盗賊、袴垂。しかも知らなかった実在した盗賊、藤原保輔を絡ませたところは斬新、興味深く読めた。浮かれ女の和泉式部、パッとしない地味女の紫式部という人物描写も楽しい。栄華の裏に蔓延る恨み、悲哀と悲愛。幕閉じはしんみり。権力の世界か否か身分関係なしにこうしなければ生きられない、選ぶしかなかった道がせつなく伝わるのも良かった。

2024/03/18

のぶ

澤田さんの新作は、歴史上の実在人物、伝説を再構築し平安の藤原一族が栄華を極める時代の影に光をあてた歴史ミステリ、サスペンスだった。藤原保輔という貴族の生まれでありながら、呪われた六条の家系に翻弄され、盗賊になった小兄の生き様を知るべく妹の小紅。忌まわしい家族を持ったことの後ろめたさを抱えながらも亡き兄の事を調べていくにつれ、強くなっていく様も見事。知的な女性像に好感が持てた。今まで平安の時代は馴染み難く、読み難い印象を持っていたが、本作はとても親しみやすく、登場人物が身近に感じられた作品だった。

2024/03/24

たま

昨年末『月ぞ流るる』、2023年2月『のち更に咲く』と澤田瞳子さん平安時代小説が2冊。後者は伝説の盗賊・袴垂登場と聞き、大河ドラマでも盗賊がご活躍なので、こちらを先に読んだ。袴垂とされる藤原保輔の兄と妹小紅(道長邸の女房)が都を騒がせる盗賊を追う。澤田さんには珍しくアクションが多く展開が早い。ただ主軸は小紅の兄への思いで、見目良き男と塗籠で密会もあるのに恋物語にならないのが歯痒い。一方平安時代の風俗描写は細かく、宴会の夜の厨の大騒ぎ、牛車がひしめく車寄せ、行き交う警固のもののふなどとても楽しめた。

2024/02/26

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