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母の待つ里

母の待つ里

母の待つ里

作家
浅田次郎
出版社
新潮社
発売日
2022-01-26
ISBN
9784104394067
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「母の待つ里」のおすすめレビュー

「今月のプラチナ本」は、浅田次郎『母の待つ里』

『母の待つ里』

●あらすじ● 「ふるさとを、あなたへ。」 苦労を背負いながら社会の中で踏ん張って生きてきた、還暦世代の男女3人。家庭も故郷もない彼らに届いた「理想のふるさと」への招待。半信半疑で向かった先で出会った「母」と過ごす時間は、やがて彼らにとってかけがえのないものになっていき──。「何があっても、母はお前の味方だがらの」。ふるさととはなにか、家族とはなにか、人生における幸せについて、改めて考えさせられる。 あさだ・じろう●1951年、東京都生まれ。95年『地下鉄(メトロ)に乗って』で第16回吉川英治文学新人賞、97年『鉄道員(ぽっぽや)』で第117回直木賞、2000年『壬生義士伝』で第13回柴田錬三郎賞、16年『帰郷』で第43回大佛次郎賞など受賞作多数。その功績により、15年に紫綬褒章、19年に第67回菊池寛賞を受賞。その他『プリズンホテル』『蒼穹の昴』のシリーズや『おもかげ』『長く高い壁 The Great Wall』『天国までの百マイル』など著作多数。

浅田次郎新潮社 1760円(税込) 写真=首藤幹夫

編集部寸評  

ペン一…

2022/5/6

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母の待つ里 / 感想・レビュー

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starbro

浅田 次郎は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。今の時代を映したユニークな設定で面白く読み進めたのですが、最期失速しました。こういうサービスが出来るのは、アメックスのチタンカード位でしょうか? 私は、なんちゃってゴールドカードしか持ったことがありません(笑) https://www.shinchosha.co.jp/special/hahanomatsusato/

2022/03/04

ALATA

「今日、会社からの退職金の振込がありました。長い間御苦労様でした」と渡される離婚届。所詮、妻は他人なのか…母の待つ里に帰りたくなる。会費35万円「ふるさとを、あなたへ」プレミアムクラブに縋りつきたくなるのもわかる。いつの間にか背を追い越し、小さくなった母を見ていた自分が懐かしい。ツナグにもあったが会えるとすれば会いたいものだ★4※母親の記憶は味付けの濃い「卵味噌」と共に一生消えない。そして、ちよさんにもちょっと会ってみたい。

2023/03/01

R

小説の骨格は人情話で、郷愁と母への想いを描いたよくある話なんだが、SFっぽいというか、すごく現代的なエッセンスをまとっていて面白かった。VR、体験型イベント、AIとかそういう装飾で物語が進むのに、結局描いていたのは感情の在り方で、大切なものは情動というか、自分がどう感じるかというその一点だけなのかもしれないと思ったりした。喪失とか、感傷とか、そういったものが人間の真ん中にあるのかもしれないなんて思った。

2022/12/12

修一郎

浅田次郎さん御自身の生まれ育ちは東京下町なんだが思い浮かべる田舎は東北の北上地方なんだとか。昔娘さんが岩手の大学に行っていたご縁だそう。この心地のよいおもさげながんす言葉は壬生義士伝以来,花巻弁と盛岡弁、遠野弁をミックスして作った言葉だとか。描かれる田舎のお母さん像はその不便な雪深い環境も含めてある種理想のふるさと像だ。こんなに息子娘にやさしいおかあさんはファンタジーだ。やっぱり最後は泣けました。こういうエピローグは典型なんだろうけどもそれでもやっぱり泣けました。浅田節堪能。

2022/10/27

とろとろ

家庭も故郷もない還暦世代の3人の男女。共通点は一般人には手の届かない高価なカード会員だったこと。そのサービスとして「理想のふるさと」へ招待されるという。最初はなんの話かサッパリだったが、その故郷に設定された限界集落で暮らす「母」との出会いを、それぞれ登場人物が章ごとに経験を語るという切り口で、話が一通り終わると、このサービスの内容が読者にも理解できるような仕掛けだったのね。この「母」が突然亡くなってサービスは終了してしまうのだが、その葬儀の際にはちょっとウルっとしてしまった。良かったんじゃないでしょうか。

2022/06/23

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