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グリム、イソップ、日本昔話-人生に効く寓話 (中公新書ラクレ 806)

グリム、イソップ、日本昔話-人生に効く寓話 (中公新書ラクレ 806)

グリム、イソップ、日本昔話-人生に効く寓話 (中公新書ラクレ 806)

作家
池上彰
佐藤優
出版社
中央公論新社
発売日
2024-01-10
ISBN
9784121508065
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「グリム、イソップ、日本昔話-人生に効く寓話 (中公新書ラクレ 806)」のおすすめレビュー

童話「兎と亀」の驚くべき後日譚とは!? 世界中の童話や寓話から、現代社会の教訓を学ぶ

『グリム、イソップ、日本昔話…… 人生に効く寓話』(池上彰、佐藤優/中央公論新社)

 時代を超えて語り継がれる、世界中の童話や寓話。子どもの頃から、多くの人が慣れ親しんできたはずだ。しかし、大人になって読むと「これはどういう意味だろう」と疑問がわいてくる作品もある。ジャーナリストの池上彰氏、作家・元外務省主任分析官の佐藤優氏の対談で展開する『グリム、イソップ、日本昔話…… 人生に効く寓話』(中央公論新社)は、童話や寓話から現代への教訓を読み解く一冊だ。

 本書より紹介したい1編が、イソップ童話の「兎と亀」である。日本でも童謡「もしもし亀よ」として親しまれている。足の速い兎とノロマな亀が競走し、油断して居眠りした兎が亀に負けてしまう話だが、私たちのよく知るくだりは、本来の「兎と亀」のごく一部のエピソードとは驚く。

 童話の要約になるが、本来の物語では兎と亀の競走に他の動物たちも関心を寄せていて、亀は動物たちに「勝因」を尋ねられたものの、理由を上手に答えられなかった。亀は自身の「師」である海亀からの「それは、お前の足が速いからだ」という意見を受けて、他の動…

2024/2/14

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グリム、イソップ、日本昔話-人生に効く寓話 (中公新書ラクレ 806) / 感想・レビュー

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Carlyuke

童話, 寓話, 昔話などと言う言葉がタイトルにあるとつい気になってしまう。寓話を現代的に解釈する対談本。二人はそんな風に読むんだなと感じた。新自由主義。 例えばアリとキリギリスだと, 今の学生さんの年代の若い人たちであれば, キリギリスを追い返してしまう, そんな記述に世代ギャップを感じる。弱者は社会として助けるという考え方から離れていっているのかな。 蜘蛛の糸がカラマーゾフの兄弟の中の逸話からヒントを得ただろうというのは初めて聞いた。その他色々なことを学ぶ良い読書だった。思っていたのとは違っていた。

2024/01/22

gtn

「兎と亀」の教訓。なぜ、兎に勝ったのかと周りに問われ、うまく答えられなかった亀が、その返答の仕方を教わりに長老の海亀を訪ねる。「お前の足が速いから」と答える長老。その言を信じ込み、自分は足が速いと吹聴し、結果として多くの動物仲間を巻き込む大惨事を招く。佐藤氏は、その長老を、体験も調べもせず、情報を一方的に拡散するインフルエンサーになぞえる。実例として何件か思い当たる。

2024/03/05

Katsuto Yoshinaga

グリム、イソップ、日本昔話からの計20話を、新自由主義の情況と競争社会の構造と本質、自己責任論から解釈してみるという一冊。これらの寓話が書かれた頃には新自由主義なんてなかったわけで後付けといえば後付けだが、どうとでも読めるのが寓話なので、これらを池上節と佐藤節で如何に詠むかというところが面白い。“すっぱいぶどう”は「適性の問題を能力の問題と勘違い」(佐藤)、“かちかち山”は「読後感がすっきりしない。文春砲も同じ」(池上)、“浦島太郎”は定年後のサラリーマン等々、いつもの掛け合いでの考察が面白い。

2024/02/18

'75s'85s

支配者階級に都合のいい言説を流布する役割を担って、人生を「降りた」立場から「物事は白か黒か」「とにかく効率第一」という時代の要請と同化したことを述べる「第3のニヒリズム」!。自分を大切にしないのだから、他者に対しても冷淡。そんなニヒリズムが、現下の日本社会が直面する最大の思想的危機!。なんてことを踏まえつつ、「すっぱいぶどう」「兎と亀」「かちかち山」「瘤とり爺さん」「猫の草紙」「アリとキリギリス」「因幡の白兎」「注文の多い料理店」「藪の中」などの対談を読むと面白かったです。

2024/03/06

ごへいもち

人生に効くのかなぁ

2024/01/30

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