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安部龍太郎

職業・肩書き
作家
ふりがな
あべ・りゅうたろう

「安部龍太郎」のおすすめ記事・レビュー

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「切腹」すればいいのか? 『ゴルゴ13』のリイド社が手掛けた『葉隠物語』から読み解く「武士道」とは?

「切腹」すればいいのか? 『ゴルゴ13』のリイド社が手掛けた『葉隠物語』から読み解く「武士道」とは?

『葉隠物語』(藤原芳秀:作画、安部龍太郎:原作/リイド社)

 「葉隠」といえば武士道を説く古典中の古典。だが、「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」という文言が第2次世界大戦時に悪用されたなんて話もあり、なんだかとっつきにくいものと感じていた。引用語句を取り上げた本がビジネス書や自己啓発書の棚にずらりと並び、どうも人生終わりかけた年配のおじさんたちが人生を振り返るために読むもの、という印象を拭えなかったのだ。“引き際は美しい”に越したことはないが、そもそも死んで責任が取れるのか…。

 しかし、このコミック『葉隠物語』(藤原芳秀:作画、安部龍太郎:原作/リイド社)が、私の「葉隠」感を変えた。「葉隠」のありのままの内容はもっとシンプルで、私たちの日常生活にも当てはまることなのではないか。原作者の安部龍太郎氏も、それを伝えようとなさったのでは。

 「葉隠」の筆録者とされる田代陣基(たしろつらもと)が死ぬ前に一度会ってみたかった藩きっての曲者(ここでは命知らずの剛胆な人物という意味)山本常朝の庵を訪ねるところから序章が始まります。切腹を命じられた友をかばい停…

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歴女も読みたい! 直木賞作家が、“東北を軽視してきた歴史”にマッタをかける、渾身の歴史小説とは?

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『維新の肖像』(安部龍太郎/潮出版社)

安部龍太郎さんが最初に直木賞候補となったのは1994年。そこから19年経った2013年に『等伯』で同賞を受賞。ベテランの栄誉はファンや作家には当然のことと受け取られたが、ご本人はただ驚くばかりだったという。彼はこのときの受賞コメントで「歪んで伝えられている日本の歴史を少しでも是正できるような仕事をしたい」と語っているが、月刊『潮』(潮出版社)で連載されていた『維新の肖像』はまさしくその目的を果たした意欲作である。

「『等伯』を連載していたときに東日本大震災が起き衝撃を受けました。そのとき、東北のために何かをしたいと思ったのです」

安部さんがとりあげるのは戦国時代や維新の傑物だけでない。直木賞の『等伯』をはじめ、このジャンルではあまり光の当たらない人物を主人公に据える。新作で描いたのは、戊辰戦争を生き抜いた侍・朝河正澄と、その息子にしてイェール大学教授を務めた朝河貫一。近代日本を生き抜いた父子を通じて彼は何を伝えようとしたのか。

「日本人にとって東北とは何か、それを改めて問い直してみたい。ずっとそう思っていた。あれ…

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その日、受賞者たちの心境は? 第148回芥川賞・直木賞会見レポート

その日、受賞者たちの心境は? 第148回芥川賞・直木賞会見レポート

 16日、第148回芥川賞・直木賞(日本文学振興会)の選考が行われ、芥川賞に黒田夏子氏『abさんご』(早稲田文学)、直木賞に朝井リョウ氏『何者』(新潮社)と安部龍太郎氏の『等伯』(日本経済新聞出版社)が選ばれた。

選考の会場となったのは、東京・築地の料亭「新喜楽」。はじめに芥川賞の結果が発表され、選考委員の堀江敏幸氏が講評をおこなった。

芥川賞 黒田夏子『abさんご』

「今回の選考は議論としても非常に楽しく、濃密な時間だった」と振り返った堀江氏は、受賞した黒田夏子氏の『abさんご』について、「横書きを用いることで、ひらがなの暴力性があらわれ、(読者を)何度も文章の前に立ち止まらせる力のある、非常に洗練された美しい作品である」と評価し、話題となっていた最年長受賞者であることについては、「不思議と話題になることはなかった。作品についてはむしろみずみずしいという評価もあった」と語った。

「(私の作品のように)他にもたくさんの隠れている作品を見つけられるきっかけになるのなら、それが私の役割なのかもしれないと思い、喜んでお受けいたしました。生きている間に見つけて…

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第148回芥川賞は黒田夏子『abさんご』、直木賞は朝井リョウ『何者』と安部龍太郎『等伯』が受賞

第148回芥川賞は黒田夏子『abさんご』、直木賞は朝井リョウ『何者』と安部龍太郎『等伯』が受賞

(写真右・黒田夏子氏)

 第148回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)が発表された。選考会は16日、東京・築地の新喜楽で開かれ、芥川賞は黒田夏子氏『abさんご』に、直木賞は2作品選ばれ朝井リョウ氏『何者』と安部龍太郎氏『等伯』にそれぞれ決定した。

 芥川賞選考委員の堀江敏幸氏は受賞作『abさんご』について「非常に洗練された小説だった」と語り、直木賞選考委員の北方謙三氏は、朝井リョウ氏の『何者』について「きわめて現代的な青春小説だった」、安部龍太郎氏の『等伯』については「この受賞をきっかけに大きな変化があるだろう」と語った。

 授賞式は2月に都内で行われる予定。

 直木賞受賞の2作品は単行本がすでに発売されている。芥川賞の『abさんご』は1月19日に単行本化され文藝春秋より刊行される。

【第148回 芥川賞・直木賞】

芥川賞

『abさんご』  黒田夏子/文藝春秋/1260円

75歳の「新人女性作家」のデビュー作。蓮實重彦・東大元総長の絶賛を浴びて、「早稲田文学新人賞」を受賞した表題作「abさんご」。全文横書き、かつ「固有名詞」を一切使わないという日本語の限界…

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