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文豪お墓まいり記

文豪お墓まいり記

文豪お墓まいり記

作家
山崎ナオコーラ
出版社
文藝春秋
発売日
2019-02-22
ISBN
9784163909707
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「文豪お墓まいり記」のおすすめレビュー

【お出かけ情報としても】文豪たちのお墓まいりで次元を超えて対話!? 作家の墓参を覗いてみると

『文豪お墓まいり記』(山崎ナオコーラ/文藝春秋)

 現実世界から離れるために本を開く、そして本が好きになる…。この感覚がわかる方は多いのではないだろうか?

 作家の山崎ナオコーラさんも、私の勝手な推測だが、同じように本を好きになった方ではないだろうかという気がする。その山崎さんが、現代に生きる作家として、文豪たちのお墓をゆるゆるとお参りしたエッセイが、『文豪お墓まいり記』(山崎ナオコーラ/文藝春秋)だ。彼女が行く文豪たちのお墓まいりに一緒に付いていこう。

■中島敦

「山月記」で有名な中島敦の墓は、東京の西部、多磨霊園にある。最寄駅は武蔵小金井駅だ。山崎さんはこの日駅からバスで向かい、霊園の前の蕎麦屋ですき焼うどんを食べる。本書は食事の記録も結構出てくるので、あらたまったお参りというよりも、散策に近い印象を受ける。

 さて、彼女は、中島敦の墓前まで来ると、33歳で死んだ敦がどのような気持ちで作品を書き、若くして死に臨んだのかについて想いを馳せる。そして、自分自身は今やその年齢より上になっていることや、自分が死ぬこととお墓にまつわるあれこれを考える。その思索…

2019/4/27

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山崎ナオコーラさんと柚木麻子さんが金曜夜に語った! 女性の仕事と生活のホンネ

(左)柚木麻子さん(右)山崎ナオコーラさん

 3月8日(金)の夜、吉祥寺の書店BOOKSルーエの主催で、山崎ナオコーラさん作家デビュー15周年を記念するイベントが開催された。山崎さんはこのたび小説『趣味で腹いっぱい』(河出書房新社)とエッセイ『文豪お墓まいり記』(文藝春秋)を同時刊行。トークゲストに柚木麻子さんを迎え、年齢も近くともに小説家であるふたりが、女性の仕事と生活のあり方について語り合った。

山崎ナオコーラさん(以下、山崎) 柚木さんとは、作家仲間とのお花見やホームパーティーで知り合ったんですよね。最近ではご自宅にも遊びに行かせていただきました。

柚木麻子さん(以下、柚木氏) まさか来てもらえると思わなくてびっくりしましたよ。私、作家デビューする前からナオコーラさんの大ファンで、スクラップブックにいれていたくらいなので。

山崎 私も見せてもらいましたが、あのスクラップブック、すごい熱気ですよね。欲しい靴とか作家の写真とかいろんなものが混在していてシュールで。

柚木 そのときに好きなものや憧れているものをソニープラザのシールとともにひたすら貼りつ…

2019/3/21

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文豪お墓まいり記 / 感想・レビュー

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いつでも母さん

タイトルそのままナオコーラさんがご主人やお母さま、編集者、時には西可奈子さんと文豪26名のお墓参りをするエッセイ。案内図まで付いている。ナオコーラさんによる各人の生い立ちや作品が読み易い。(名前だけで知らない作品の多いこと・・汗)立ち寄るお店(食べ物屋)も楽しい。有名どころは墓参の方も多いのね。作家も色々、お墓の在り方も各人それぞれで興味深かった。ナオコーラさんやご主人の『死生感』も伝わる。奇しくも今日は彼岸の入り。ちょっとこれはお勧めしちゃうな・・

2019/03/18

ナイスネイチャ

図書館本。読友さんの感想で。ナオコーラさんとたまに夫が文豪のお墓参り。略歴と旅先での出来事を綴ってました。星新一さんと遠藤周作さんの章が面白い。特に「沈黙」は読みたくなりました。

2019/04/30

抹茶モナカ

作家の山崎ナオコーラさんが文豪のお墓参りをする連載エッセイの単行本。作家として、なかなか賞レースで結果のでない山崎ナオコーラさんの謙虚な姿勢が滲んでいて、好感が持てた。とは言うものの、この作家さんの本を手にするのは初めて。26人の作家のお墓参りをして、その時感じた事や、作家の来歴にも触れていて、面白い。何より山崎ナオコーラさんの谷崎愛が眩しい。谷崎潤一郎の戦時下の『細雪』執筆問題が、彼女の中で、作家の同時代性の命題としてあるようで、折々、その問いは繰り返される。活字も大きく、読みやすい文章。良作。

2019/04/06

いたろう

26人の小説家、文筆家(一部、歌川国芳のような絵師も入っているが)のお墓参りの記。この中で、行ったことがあるのは、三鷹の禅林寺の太宰治のお墓だけ。もっとも、太宰治のお墓の向かいには、森鴎外、茉莉父娘のお墓があるので、こちらも行ったと言えるのかもしれないが。ナオコーラさんが太宰の墓参りをしたのは、命日、桜桃忌の日。今年ももうすぐ桜桃忌。平日なので、墓参りには行けないけれど、代わりに何か太宰の本を再読したい。他にこの本で紹介されている中で、好きな作家である堀辰雄、林芙美子、内田百閒のお墓には是非行ってみたい。

2019/06/16

Kei

たまに同行する著者の母親が、まるで身内のように墓に、死者に接する姿が、自然な日本人気質を感じました。文豪の墓まいりに絡めて、その文豪の作品、成り立ち、文学観を紹介。自身の文学観も。震災を戦争下の文学者のあり方を。自身の流産、出産から、死生観も。と、肩苦しく思いがちですが、散歩、お花、食事と、楽しい行楽気味なところも。ナオコーラ、名に違わず、男女やお金に関しても、公平半端なく、面白し、でした。

2019/04/11

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