断片的なものの社会学
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ヨシタケシンスケ初の完全読本! 創作の秘密もたっぷり詰まった『ものは言いよう』
2019年、『つまんないつまんない』でニューヨーク・タイムズ最優秀絵本賞を受賞したヨシタケシンスケ。同書がアメリカの老舗書評誌Kirkus Reviewsの「Best Books of the Year 2019」に選出されるなど、その感性は日本国内にとどまることなく広がり続けている。このたび刊行された新刊『ものは言いよう』(白泉社)は、雑誌『月刊MOE』で二度にわたって組まれたヨシタケシンスケ特集を加筆修正し、書きおろしをくわえたインタビュー&エッセイ集。創作の秘密を知ることのできる初の完全読本、刊行を記念してお話をうかがった。
『ものは言いよう』(ヨシタケシンスケ/白泉社)
■我慢強くなりたければ結婚した方がいい!? ヨシタケシンスケらしさ全開、のらりくらりの100問100答
――以前お話をうかがったとき、次は大人向けのいやらしい話を描いてみたいとおっしゃっていましたが、『ものは言いよう』に収録された100問100答のなかにも、ちょっと“いやらしいもの”は潜んでいましたね。
ヨシタケシンスケ(以下、ヨシタケ) どういうときに欲情しますか、とい…
2019/12/14
全文を読むヨシタケシンスケさんの新作は、超大人向けの“いやらしい話”!?
10月21日に放送された『情熱大陸』にも出演し、デビュー5年にして押しも押されもせぬ大人気絵本作家となったヨシタケシンスケさん。人一倍常識に縛られていた自分だからこそ伝えられるものとは?
常識に縛られてきた自分だからこそ、他人と違っていい、という提案ができる
――大変な未来への不安(『それしか ないわけ ないでしょう』)とか、死んだらどうなるんだろう(『このあとどうしちゃおう?』)とか、大人も子供も根本的には悩んでいることって変わらないのかもしれないと、ヨシタケさんの絵本を読んでいると感じます。
ヨシタケ 大人は大人なりに「あちゃ~」ってなるし、子供は子供なりに「わかる~」ってなる。そういう絵本にできたら僕は一番嬉しいと思っていて。『情熱大陸』で「他人と違っていてもいいなって思えた」とおっしゃってくれているお母さんがいましたが、僕自身が「他人と違っちゃだめなんじゃないか」と日々不安に思っているからこそ、そういう感想が出てくるんだと思います。
「こういう考え方をすれば、他人と違っていても大丈夫だと思いません?」という提案ができるのは、そうすれば僕自身が…
2018/12/14
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断片的なものの社会学 / 感想・レビュー
はっせー
この世界において意味が理解できなくても何故か記憶に残っている出来事がある。そんな出来事をまとめたエッセイになっている。何故か記憶に残っている断片的な出来事はピントが合っていないか、または断片が足りないからである。そこを自分の解釈や間違った解釈で理解してはいけない。自分の心の中に断片的な出来事として心に止めておく。それが役に立たずともそれでいい。その姿勢はまさに善悪二元論に立つことなく曖昧なものも存在するという立場ではないかと感じた。岸さんは私たちを優しい霞に連れていってくれようとしたのかなと感じた!
2021/02/01
かみぶくろ
ずーっと読みたかった本だけど、満を持して読んでみたら本当に素晴らしかった。ミクロな個別事象をマクロな理論へと構成していくのが基本的な人文学系学問のスタンスだと思うが、ミクロで無意味な生活の断片をそのまま愛でるっていう著者の姿勢はとても文学的(というカテゴライズは無粋だが)な営みだ。日常や世界を振り返る「気づき」に溢れており、ややもするとすぐに凝り固まっていく我々の思考を、するすると柔らかく解してくれる、何度でも読みたい素敵な作品だった。
2017/02/07
うっちー
社会学を断片的に捉えていました。まさに標題どおり
2018/08/18
けんとまん1007
何故なのだろうか?ますます、不寛容で短絡的な空気が蔓延しつつあるのは?それは、意図されたものなのか・・とすら疑ってしまう。それはそれとして(放置するのはよくないが)、自分が知りえないことで、世の中が成り立っている。そんなことに、出会ったとき、それをどう受け入れるか・・ここだ大切だと思う。
2020/09/09
ちびbookworm
社会学者のこぼれ話を集めた本。研究に使えないが、なぜか心に残る「普通の人」の人生話。◆NHKの「ドキュメント72時間」のような面白さがある。普段、自分の人生と交差しそうにない人の人生の断片を、そのまま読む面白さである。自然と自分の人生が客観視できてしまう感覚がある。◆または、この本は、路傍の人の人生との共感(全く違う人生だが、なぜか共感できるところがある。それは、誰もが持つ、生きる間の永遠の孤独感なのだろうか?)を感じさせ、 マイノリティの人をありのまま見つめる著者の優しいまなざしを感じられる本でもある。
2023/05/05
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