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月曜日の抹茶カフェ (宝島社文庫)

月曜日の抹茶カフェ (宝島社文庫)

月曜日の抹茶カフェ (宝島社文庫)

作家
青山美智子
出版社
宝島社
発売日
2023-06-06
ISBN
9784299044099
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「月曜日の抹茶カフェ (宝島社文庫)」のおすすめレビュー

累計31万部突破のデビュー作『木曜日にはココアを』の続編――1度きりの縁も大切にしたくなる抹茶カフェを舞台にしたショートストーリー集

『月曜日の抹茶カフェ』(青山美智子/宝島社)

 大事なものほどぎゅっと握りしめすぎて、壊れてしまうということがある。大好きな人に執着しすぎて、その関係を確かなものにしたくて、不安で、焦って、距離感をまちがえて、せっかく繋いだはずの縁をみずから失ってしまう。本当は、ただ流れに身を任せていればいいだけなのに。そんな人の弱い心を、青山美智子さんの小説はいつも優しく包み込んでくれるような気がする。文庫化されたばかりの『月曜日の抹茶カフェ』(宝島社)も、そう。たとえこの先に繋がらなかったとしても、たった一度、たった一瞬、すれちがえただけの縁もあなたの血肉になるのだと、失われたとしても無駄なんてことはないのだと、背中を押してくれるのだ。

『月曜日の抹茶カフェ』は、累計31万部を突破した青山さんのデビュー作『木曜日にはココアを』の続編で、東京の住宅街の片隅にひっそりたたずむ、川沿いのマーブル・カフェを訪れる人々を描いた群像劇である。だが、店内での様子がほとんど描かれることのないところが本作のおもしろいところ。前作では東京とシドニー、今作では東京と京都を行ったり来た…

2023/6/15

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『月曜日の抹茶カフェ』が待望の文庫化!一軒のカフェを中心とした“つがい”の物語――青山美智子インタビュー

 ※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2023年7月号からの転載になります。

 『お探し物は図書室まで』と『赤と青とエスキース』、『月の立つ林で』が本屋大賞に3年連続ノミネートされ、うち2作が2位に輝いた青山美智子さん。このたび文庫化された『月曜日の抹茶カフェ』は、累計29万部を突破したデビュー作『木曜日にはココアを』の続編にあたり、著者自身が「原点回帰した」と語る重要な作品だ。その想いを、改めてうかがった。

取材・文=立花もも 写真=田中達也(ミニチュアライフ)

『月曜日の抹茶カフェ』宝島社文庫 760円(税込)  単行本が刊行された2021年のインタビューで「作家として4歳を迎えたタイミングでこの作品を書いたことで、改めて原点回帰できたような気がする」と語っていた青山さん。 「インタビューを受けた時のことを振り返ると、作家として駆け出しのまだまだこれからというときに原点回帰だなんて、恐れ多いことを言ったなと反省しています(笑)。ただ、その勢いがあったからこそ書けた作品でもあって。今の私なら、観光でしか訪れたことのない京都に暮らす人々を、お抹茶や和菓子…

2023/6/8

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月曜日の抹茶カフェ (宝島社文庫) / 感想・レビュー

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となりのトウシロウ

「木曜日はココアを」の続編。前作と同様の12編からなる連作短編。「マーブルカフェ」から繋がる縁は、今回は京都と東京を繋ぐ。どのお話も優しくて温かく胸に響く。敢えてあげると、自分の気持ちを素直に表に出せない不器用な祖母タヅと厳しい言葉を吐き続ける祖母を嫌悪していたが本当の祖母の気持ちを知った孫光都のお話には思わずホロっときた。そして京都の男子大学生孝晴と「バケツ」実篤のお話、「体の向きを変えたら見える世界が一転する」も心に残った。最後のお話、これだけは他と違って時の流れが遡って一話に繋がって・・読後感良し。

2023/12/24

たかこ

読書メーターの献本でいただきました!頑張れという言葉はないのに、頑張って!と背中を押してくれる物語。東京と京都のご縁、月日の流れ。改めて「ご縁」って気づくことだと思うな。季節がめぐっても(時間がかかっても)、ご縁があると思えば、繋がるのだと思う。茶人としては、水無月の祓、6月末に水無月という和菓子を食べること、生活の中に和菓子があること、私も大事にしていることでもある。本当に大事なものは意外とそばにあるのかもしれない。日々の生活に優しいゆとりができるといいな。幸せに気づかせてくれた木曜日と月曜日の2冊。

2023/07/11

たるき( ´ ▽ ` )ノ

やっと文庫になってくれた・・・!!抹茶大好き、青山さん大好きな私なので、とてもとても楽しみに待っていた(*≧∀≦*)睦月から始まり師走で終わる連作短編。いや、師走が始まりともいえるなぁ♫特に好きなのは『夏越の祓』と『拍子木を鳴らして』のふたつ。心に響く短編ばかりで、大満足でした!

2023/06/08

ゆん

前作にあたる『木曜日にはココアを』を読んだ時、なんて素敵な物語なんだろうって すごく感動して今作も期待して読んだのですが… 期待を裏切りませんね! 紡がれてゆく縁がとても優しくて、あたたかくて、優しい気持ちになれました。 普段疲れてる人や嫌な気持ちを抱えてる人、前向きな気持ちになれない人など そういう方たちにも是非読んで欲しいと思いました。『木曜日にはココアを』、そして『月曜日の抹茶カフェ』はもう私の愛読書です!

2023/06/22

カブ

実際にあったら行ってみたい「マーブル・カフェ」の定休日、月曜日だけ開店する「抹茶カフェ」、どんな物語が始まるのかワクワクしながら手に取る。1月睦月から師走の12月までの短編ひとつひとつに心がホッコリ。読み終わってしまえば、日常に溶け込んでしまうような話だけど、また読み返してみようかなと思える1冊。

2023/06/28

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