美徳の不幸 (河出文庫 サ 1-8 マルキ・ド・サド選集)
美徳の不幸 (河出文庫 サ 1-8 マルキ・ド・サド選集) / 感想・レビュー
里愛乍
「正しさ」とは時代、立場、風習慣習その他事情に寄って左右される。だけど「真・善・美」は揺るがないとの説を識ったとき、妙に自分の中で腑に落ちた事がありました。ジュスティーヌ彼女の場合は「正当防衛」ですら「悪」の「行為」を拒んでいる。「美徳」とは己を殺してでも守るべきものなのか…いやむしろ殺される方を選んでいるような。「すすんで自分の好きなことをしたまでの話だろう?」まさにその通りなのである。彼女には幾通りもの生き方があった。そして最期まで貫き通した。まことの幸福は美徳のうちにしかないことを。
2018/08/05
夜間飛行
「森の修道院サント・マリー」の四人の破戒僧は、何か見えない法則に動かされているようで、そこにはサドの無意識に根ざした夢…メカニックで自律的な生命活動への夢…があるように感じられた。反社会的だがどこか無邪気なその夢の中では、貧者の盗みも金持の淫蕩も等しく賞揚され、この世の階層は効力を失う。それどころか地震を起こして二百万人殺すという、自然の無効化さえ企てられる。実行した科学者が報酬を受け取らないのは廉潔さゆえではなく、無目的な快楽こそ本物と見るからだろう。快楽主義者サドは回転するコマのように自ら立っている。
2013/11/04
KI
美徳は堕落の始まりで、幸せの終わり。
2018/04/29
Ayah Book
サド特有の道徳観についてのお説教が少なく、とても読みやすくて面白かった。(あくまでギャグとして。本気で読んだら悲惨すぎ)世の中には偽善がはびこっているんだから~云々の話はわかるけど、「悪徳の栄え」なんかはやりすぎと思う。やりたい放題のジュリエットちゃんより、どんなに非道な目に遭っても美徳を信じるジュスティーヌちゃんの方が私は好きです。
2018/02/07
わむう
記録漏れ。
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