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コクーン

コクーン

コクーン

作家
葉真中顕
出版社
光文社
発売日
2016-10-18
ISBN
9784334911249
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コクーン / 感想・レビュー

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W-G

『ロストケア』と『絶叫』は未読だが、この作者の"現在"が気になる。単に生みの苦しみの中でもがいているのか、話題性のある題材や新たな賞の獲得を意識し過ぎて迷走している時期なのか。芯のある作家の匂いはするが、イマイチ振り切れていない。読んでいる最中は"読まされる"感覚もあるが、残らない。第3章だけ雑誌掲載で他は書き下ろしという変な創作方法のせいも多分にあるのだろう。CM用にサビだけ作って後から他を付け足したJ-POPと同様の違和感を感じてしまうのは偏見だろうか。そういう意味では挑戦的な作品かも。

2016/11/08

starbro

葉真中顕は、新作中心に読んでいる作家です。バタフライ・エフェクト・ノンストップ・ジェットコースターノベル、一気読みしました。敗戦、高度経済成長、バブル、カルト、震災、現在と時空を超えて黄金蝶が飛び交います。重く暗い内容なのに軽い、不思議な雰囲気の作品ですが、葉真中顕の勢いを感じます。

2016/11/16

Yunemo

時代感覚と詰め込まれ過ぎた内容についていけません。表題「コクーン」の意味が今もってしても理解できずに。何だか胸が掻き毟られる想い。結局、蝶による誘いについて行く、そうした表題のほうが理解しやすかったとの想い。第二次世界大戦から2016年までの長きに亘る時代経過、そこで起こる偶然の出会い。人との結びつきって、良くも悪くもこんなものなのかも。現在の医療制度からの始まりに、その方向性かな、なんて想いで読んでたら神の世界へ。いろんな言葉で自分の振る舞いを糊塗する、そこに付け入られる人間の弱さ、脆さばかりが印象に。

2017/02/24

しんたろー

カルト教団によって左右された人々を4つの章で表現したダークファンタジーとも言える内容…最後まで読むとパラレルワールドものでもあると理解したが、途中の福島第一原発に関するところで憤りに近い疑問を覚えた…今尚、苦しんでいる人が多いだけにエンタメとして成立させるには難しい。福祉と医療、様々な差別、戦争や震災など社会的な問題点を提起しつつ、ドラマを交錯させて楽しませようとする創作意識の高さは伺えたが、盛り込み過ぎで消化不良にも感じた。それでも、何人かの登場人物への救いが読者への熱いメッセージとして伝わってきた。

2019/10/04

いつでも母さん

今回は『繭』この作品は読み手の読解力を試されました。全体を通して『ロスト・ケア』や『絶叫』の様な重い響きでは無いので瞬間瞬間にズシンとは来ない。だからどうした葉真中顕!と思う。が、微妙にずれてしまう世界があって、それはとても不思議にも思える事なのだが怖いのだ。心の有り方というか『信じる者は救われる』的でさえあるのだ。そこを巧く突いていたと思う。自分の居る世界がどこなのか実感が狂うのだ。自分の存在さえ、ここでは無い何処かを求めるのかー高齢者不在不明があんな病院に集約されてしまう明日が来るのか!コクーンか・・

2016/11/06

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