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癒し屋キリコの約束

癒し屋キリコの約束

癒し屋キリコの約束

作家
森沢明夫
出版社
幻冬舎
発売日
2014-08-07
ISBN
9784344026155
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癒し屋キリコの約束 / 感想・レビュー

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風眠

昭和の歌謡曲が流れる喫茶店、入り口すぐのカウンターには賽銭箱、やる気のないアラフォー美女が店の奥で飲んだくれている。あやしすぎるこの喫茶店の裏稼業は「癒し屋」。優しく癒すのではなく、もうほとんど荒療治。人間の負の感情をうまく操って、最終的には「気づき」によって癒しへと昇華させる。そんな破天荒なキリコさんの過去はカウンセラー。親友を救うことができず、亡くしてしまったことで廃業した。今のキリコさんはロクでもない女だけれど、変にいい人になっていないのがいい。乱暴だれど的確なキリコさんの言葉に、私もハッとしたり。

2014/12/13

おしゃべりメガネ

さすが森沢さん!ホント、失敗しない作品ばかりをどうして、こう次々と書けるのでしょうか。今作は意外?にも、ちょっとしたミステリー仕立てになっており、その意外な作風にも十分に楽しませてもらいました。昭和歌謡の名曲のワンフレーズを見事にココロに響かせ、そんじょそこらの自己啓発本やスピリチュアル本など足元にも及ばない、たくさんの'癒し'の言葉を次から次へと紡ぎ出す'森沢アタック'はまさしく【癒し屋】以外の何者でもありません。やっぱり言葉の持つ温かい響きが何より一番の処方箋になることは、本当に心が救われますよね。

2016/12/31

ヨミー

虹の岬の喫茶店に続き、森沢明夫作品2作目読了。序盤からこの2作がリンクしてて良かった。一つ前に読んだ本が80年代中心の音楽に纏わる小説だったので、偶然にも繋がりが出てびっくりした。前半、霧子さんの言動に少し馴染めずにいたが、話が進むにつれ、幸せを感じる沢山のありがたいことばが出てきます。「長所で尊敬され、短所で愛される」や「過去を断ち切るのではなく、受け入れてはじめて人は過去から自由になれるようにできてる」など。いい作品で爽やかな読了感でした。面白かったです。他の森沢明夫作品も読んでみたいです。

2015/09/30

文庫フリーク@灯れ松明の火

ブラックジャックのDr.キリコが浮かんだタイトル。喫茶店のオーナーでありながら心に傷を負った人を癒す美貌のアラフォー有村霧子。無報酬と言いながら喫茶店に神棚と賽銭箱を置き、「お賽銭」を「奉納」してもらう守銭奴、お金に卑しい癒し屋。他の森沢作品とのリンクも垣間見えるが、どうにも霧子に好感抱けず・・それでもプロローグからエピローグまで、各章に添えられた昭和の名曲の一節に惹かれて読了。第二章【いつかは誰でも 愛の謎が解けて 一人きりじゃいられなくなる】(SOMEDAY/佐野元春)なんて添えられたら、次は?と→

2015/01/22

シナモン

お酒好きでちょっとだらしない霧子さんのキャラクターがどうも好きになれなくて、途中で読むのやめようかと思ったけど、ダークな感じのプロローグがどんな風に繋がっていくのか知りたくて我慢して読み進めた感じだった。でもだんだん内容も重く深くなっていき、気づけば昭和堂の世界にどっぷり。「幸せはなるものじゃなくて気づくもの」「自分の過去を受け入れて感謝できたとき、人は過去から自由になる」霧子さんの一言一言が胸に響いた。凄い人だな。最後まで読んで良かったです。

2020/08/29

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