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柳は萌ゆる (実業之日本社文庫)

柳は萌ゆる (実業之日本社文庫)

柳は萌ゆる (実業之日本社文庫)

作家
平谷美樹
出版社
実業之日本社
発売日
2021-12-03
ISBN
9784408557052
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柳は萌ゆる (実業之日本社文庫) / 感想・レビュー

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イシカミハサミ

「最後の武士」とも言われた 盛岡藩の藩士、楢山佐渡を中心とした 幕末の物語。 楢山家の人たちの描写が本当に素晴らしい。 どの関係性をとっても泣けてくる。 中盤の戦争の描写が必要なものとはわかるのだけれど、 楢山家の物語からは離れてしまうし、 戦争という特性上、人物が入り乱れて、 状況を追うのも大変だったので、 もうちょっと略してくれるともっと読みやすくはあった。

2022/11/06

ゆうこ

一人の信念を貫いた話でした。戊辰戦争と言えば京都、会津、薩長などの話が多い中、奥羽越列藩同盟の話はあまり知らなかった。まして青森での出来事など…。歴史に、もし、はないと思っているが、主人公楢山茂太が川に流された赤ん坊を見なければ、一揆に参加する農民を知らなければ。佐幕か尊皇かでは無く、武士だけが政を行わない世の中を作りたいと望んだだけではなかったかと。その望みさえ叶えられない世の中とは。柳のように時に揺れることを知っていれば命を落とすこともなかったろうに。700項を超える本ですが本当に読んでよかったです。

2022/01/25

ryohey_novels

幕末の盛岡藩奥羽越列藩同盟を主導した楢山佐渡の一生を描く。前半は藩の御家騒動を通じ、佐渡が‘武士だけの政治の限界’に気づき、後半は幕末の動乱の中決断を迫られていく。非常に良質な歴史大作だった。幕末、劣勢にある佐幕派の中で盛岡藩は何故参戦したのか。仮に負けたとしても薩長の理不尽な政治・やり方に反発した人がいるということを「国」に訴えかけたかったというのは綺麗事だが納得できる。高橋克彦氏の『天を衝く』で秀吉に対して最後まで対抗した九戸政実に近いものを感じた。己の利益でなく他を活かすために立つ姿は実に格好良い。

2022/06/19

さる

奥羽越列藩同盟に属した南部藩の家老(加判役)楢山佐渡の視点から見る幕末~戊辰戦役までの物語は知らないことが多く新鮮。加判役にしては心の揺れ動きが多いと感じたが、読み終わってみて、そう感じるのは自分が結末を知っているからであり、当時を生きる人々にとってはまさしく激動の日々で、重役として過つことのできない選択の連続であったと思えば当然かと納得。 家臣に「己に『お前たちのためにやっているのだ』という気持ちが強ければ、逆らわれると腹が立ちまする」と指摘された言葉は、心に留めおきたい。 いつの時代も柳は萌えねばと。

2024/02/14

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