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夏鳥たちのとまり木

夏鳥たちのとまり木

夏鳥たちのとまり木

作家
奥田亜希子
出版社
双葉社
発売日
2022-05-19
ISBN
9784575245202
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夏鳥たちのとまり木 / 感想・レビュー

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おしゃべりメガネ

読了後の感想は素直に「いい話(作品)読んだなぁ」と思えました。奥田さんならではの適度にシリアス、適度に明るめな作風は読んでいて安心感と安定感があります。本作は中学2年生を受け持つ女性教師のお話でした。色んな教師モノを読んだ記憶がありますが、改めて学校の先生ってホント大変だなぁと思います。好きじゃないと勤まらないし、好きなだけでも勤まらないなと。主人公「葉奈子」と副担任のベテラン「溝渕」のやりとりがとても印象的でした。特に「溝渕」のキャラがホントにナイスでそこだけでも十分値のある作品になってると感じます。

2022/08/04

とん大西

地味ながら…良書です。中学教師・葉奈子の憂い。中二の夏、彼女が駆け込んだ先。母から逃れた束の間の安息地は、ネットで知りあった男ナオが静かに暮らす部屋。彼との穏やかな数日間、それは葉奈子にとって果たして僥倖だったのか。教師となった今、潤いのない日々を重ねる彼女。雛鳥の保護、生徒の不審な素行。些細な出来事を切欠に…垣間見得る、蘇る、向き合う…中二の夏、あの時の葉奈子。儚い季節はある。もしかしたら今もそうかもしれない。否定はしない。でも少しの苦味を受容すれば見えてくる明日があるかもしれない。…沁みてきました。

2022/07/22

fwhd8325

とても繊細な物語でした。心の中にある葛藤、母親とのしがらみ。何だか純文学を読んでいるようでした。正直、前半は重いな、と感じました。奥田さんって、こんな感じの作品だったかなと戸惑いもありました。それでも主人公の必死さに、引きつけられていきました。良い物語でした。

2022/11/22

ウッディ

クラスの女生徒の家出が、SNSで知り合った男性の所で過ごしていたことに気づいた中学教師の葉奈子、彼女にも過去にネグレクトの母から逃れ、ネットで知り合った男性宅で2週間、過ごした過去があった。母との確執や部屋を片付けられない自分に悩み、教師も一人の人間であり、他人に言えない過去を持ち、欠点を隠しながら生きている。けれど、そんな過去があったからこそ、教え子と人として向き合い、正しく導いていけるのかもしれない。過去を乗り越えた副担任の溝渕の現在の姿は、葉奈子にとってまさに教師のような存在なのかもしれない。

2022/09/15

machi☺︎︎゛

ネグレクト気味の母親に育てられた葉奈子は大人になって中学校の教師になった。そして自分がしんどかった時に支えてくれたと思っていた人からの言葉は実は悪魔の呪文だった。「流浪の月」と似た設定だったけど最後は全然違う展開になって心地の良い終わり方だった。人間ってとても弱いけど本当はとても強い。

2022/08/09

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