KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

球形の囁き

球形の囁き

球形の囁き

作家
長岡弘樹
出版社
双葉社
発売日
2023-08-18
ISBN
9784575246599
amazonで購入する Kindle版を購入する

「球形の囁き」のおすすめレビュー

“刑事の母”を持つ娘と“新聞記者の娘”を持つ母。親子が繰り広げる推理と情報の心理戦を描いた短編集『球形の囁き』

『球形の囁き』(長岡弘樹/双葉社)

 身近な誰かが“犯罪者”になる。私たちは、その可能性を普段あまり考えない。だが、殺人を含めたあらゆる犯罪において、加害者となるか否かの境界線を越えるハードルは、実はそんなに高くない。それが、顔見知りによる怨恨の場合であれ、偶発的な事故であれ。私たちは、案外容易に “加害者”の側になり得る。長岡弘樹氏によるミステリー作品『球形の囁き』(双葉社)を読んで、その感覚がたしかなものとして迫ってきた。

 本作は、45万部超の著者のヒット作『傍聞き』の表題作である短編小説「傍聞き」で主人公だった啓子と菜月が主人公に据えられている。シングルマザーの啓子と一人娘の菜月。本書では、高校生となった菜月が、やがて長年の夢であった新聞記者になるまでの成長過程を垣間見ることができる。母親の啓子は刑事で、殺人事件の捜査に携わる多忙な日々を送っていた。家庭内で繰り広げられる推理の攻防に息を呑む短編集は、章ごとに数々の難事件が登場する。

 個人的には「落ちた焦点」の章が特に忘れ難い。啓子と新人刑事の美樹本が事件解決に奔走し、早い段階で犯人らしき男性…

2023/8/29

全文を読む

おすすめレビューをもっと見る

球形の囁き / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

starbro

10月の第一作は、羽角母娘シリーズの第二弾、連作短編集、長岡 弘樹は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。 オススメは、『落ちた焦点』&『黄昏の筋読み』となります。 https://www.futabasha.co.jp/book/97845752465990000000

2023/10/01

いつでも母さん

凄い!どんどん進むのだ。理系苦手な私には母・啓子の理解すら尊敬しちゃう。だから、はぁ?が行ったり来たりして集中できないのが苦しいし悲しい(泣)シリーズ最新作の連作5話。スルーしそうな(私なら絶対に気付かない)些細な事からこんなに展開する?毎度思ってしまうのだ。おまけにこんなに進んで、これでお仕舞じゃないですよね?彩弓ちゃんの明日はどっちに進むのかなぁ?

2023/09/12

しんたろー

羽角母娘シリーズの最新作は5編の連作短編集…娘・菜月が高校生~大学生~新聞記者となり、母・啓子も祖母の立場になるほど歳を重ねながら、母娘で事件に向き合う内容。長岡さんデビュー作『傍聞き』での登場から応援しているので、菜月の成長が父親のように嬉しかった。(もう少しユックリでも良かった気もするが) 残念ながら、名作『傍聞き』に肩を並べる作品はなかったが、著者らしい伏線の張り方と独特のトリックで楽しませて貰った。軽快なミステリに程良く情も絡んだ本シリーズは好みなので、菜月の娘・彩弓が成長するまで続けて欲しい。

2023/10/28

モルク

刑事であるシングルマザー啓子と娘菜月のシリーズ。菜月も中学生、それが1話ごとに高校生、大学生、念願の新聞記者となった社会人、そしてついには小2の女の子がいる母親という急成長ぶり。伏線がありその回収が見事だが、親子と言えども事件のことをそんなにペラペラ話すかという部分もある。謎解きそして菜月の成長物語としても面白かった。次は親子3代による謎解きだろうか。

2023/10/27

タイ子

強行犯担当の刑事の母とその娘が日常の中で出会ってしまう事件に向き合う連作短編集。日常の中でこんなに事件に巻き込まれたり、知り合いが関係する事はそんなにないだろうけどね。一話ごとに気持ちいいくらい年月が過ぎて行く。娘の菜月が高校生から大学生に、そして社会人へと移り変わっていく様もいい。理系の菜月が解き明かす事件の解明と母親の理解度が理系苦手の私には毎度面白い。諸々の事件と共に変化する母娘の環境、人生、想いが切なくもあり、微笑ましい。最初は菜月ちゃんだったのに、今は…だものね。次に出会う時が楽しみです。

2023/09/05

感想・レビューをもっと見る