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兎は薄氷に駆ける

兎は薄氷に駆ける

兎は薄氷に駆ける

作家
貴志祐介
出版社
毎日新聞出版
発売日
2024-03-04
ISBN
9784620108711
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兎は薄氷に駆ける / 感想・レビュー

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starbro

貴志 祐介は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は、冤罪二世法廷ミステリ復讐譚でした。帯にリアルホラーと書かれていたので、ミステリからホラーに転生するのかと思いきや、ミステリのまま想定内で終了しました。最期にサプライズがあれば、もっと好かったですが、今年のBEST20&ミステリBEST10候補、久々読書に没頭し、電車を乗り過ごしそうな勢いでした🐰🐇 続編もありそうな気配です。 https://mainichibooks.com/books/novel-critic/post-660.html

2024/03/12

hiace9000

権力の横暴に抗する反逆の大義か、それとも幾重にも塗り固めた漆黒の私怨か。自身の命運を賭け、薄氷の上に躍り出て駆ける「狡兎」が見つめた先ー。そこにあるものとは何だったのだろう。二重三重の絡繰で周囲を非情の罠に絡める迫真の嘘は、読み手をも闇堕ちさせる不穏で強烈な引力。ジリジリと追い詰める法廷ドラマの緩急を楽しませながら、読み手を代弁する謙介目線を用い、どこか不穏な違和感をもちながらも、読中日高青年のギリギリの闘争と逃走を支援してしまうはず。だが、ふと足元を見れば、自らも薄氷に乗っていたことに慄然とするはずだ。

2024/04/18

ゆみねこ

資産家の叔父を殺害した容疑で逮捕起訴された日高英之。取り調べは過酷で供述調書に署名捺印させられ裁判に。そこで無実を訴え、検察・警察を相手に息詰まる法廷劇が始まるが、英之の目的は自身の無罪を勝ち取ることでは無かった。英之の弁護をする本郷弁護士、その依頼を受けて事件の調査をする垂水と英之の恋人・千春。分厚さに一瞬怯んだが一気に読了。

2024/04/04

はにこ

父が冤罪により獄死してからのち、自らも冤罪に問われる。一度は自白させられたのにどんどん覆していく手腕がすごかった。状況証拠を覆して、検察を追い詰めていくのが迫力満点。父の冤罪を晴らすために病的に突き進むのが薄気味悪かった。でも検察官側が追い詰められていくのがちょっとスカッともした。

2024/03/31

のぶ

貴志さんは近年、自分の満足のできる作品がなかったが、久々にエンタメとして楽しめる本だった。資産家男性が一酸化炭素中毒で命を落とす事件から物語は始まる。容疑者として被害者の甥、日高英之が逮捕され執拗な取り調べの末、自白したが英之の父親は15年前の殺人事件で有罪となり、獄中死していた。英之はそれが冤罪だと信じて疑わなかった。そんな設定で進むが、全体の大半を占める裁判シーンは迫力満点で、読みだしたら途中で止められなかった。しかし裁判の後の展開には納得しづらいものがあって、すっきりした読後感にはならなかった。

2024/04/18

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