深夜、生命線をそっと足す
ジャンル
「深夜、生命線をそっと足す」のおすすめレビュー
不器用すぎる売れっ子作家・燃え殻氏と、彼の本音を引き出す二村ヒトシ氏の対談本。労働観などを巡るクロストーク
『深夜、生命線をそっと足す』(燃え殻、二村ヒトシ/マガジンハウス) テレビの美術制作会社で働きつつ、小説『ボクたちはみんな大人になれなかった』で2016年に作家デビューした燃え殻氏。同作は映画化もされ、続く著作も順調に売れ続けている。そんな燃え殻氏の文章を読んでいて思うのは、どれだけロマンティックな恋愛を描いていても、どこかに苦みや翳りや悲哀が貼り付いている、ということだ。そんな燃え殻氏とAV監督の二村ヒトシ氏の対談を収めた『深夜、生命線をそっと足す』(マガジンハウス)を読んで得心した。こういう人だからこそ、ああいう作品が書けるのだな、と。
小説やエッセイを書いて高い評価を得ても、幸せになれない。著作は順調に売れているのに、燃え殻氏は虚無感と徒労感に苛まれている。見た目もシブくて二枚目の彼のこと、さぞかし女性ファンも多いのだろうと勘ぐってしまう。だが、本書を読むと、本人の体感ではまったくそんなことはないらしい。巧みな聞き手でもある二村氏とのトークで浮かび上がってくるのは、燃え殻氏がとんでもなく不器用で努力家だ、という事実である。
その不器用さ…
2023/1/11
全文を読むおすすめレビューをもっと見る
深夜、生命線をそっと足す / 感想・レビュー
タピオカ
燃え殻さんと二村さんのラジオ番組「夜のまたたび」での対談を書籍化したもの。タイプの違うふたりがいい感じで、力を抜いているのだけど、なるほどと思うところもあり、読みやすかった。音声でも聞いてみたかった。
2023/06/25
金城 雅大(きんじょう まさひろ)
あー二村さんと話したくなっちゃったなぁ。
2022/12/26
emo
ラジオ対談の書籍化。「コロナである程度国がシャットダウンしたでしょう。切羽詰まっていた人この今のシャットダウンをうまく使った方が良い気がする」、、これ私も常々思っていた事。お二人のおすすめ本や映画の紹介、感想も良い。ちなみに私も燃え殻さんおすすめの「ウォーキングデッド」にハマった。
2024/01/07
北京ダック
燃え殻さんと二村さんのラジオ番組での対談を書籍化。同時代を生きる人たちの悩みだったり生きづらさに対して、お二人がそれぞれ掛け合う中でアプローチされています。深夜番組だったと言うこともあり、哲学的で深く、みんなそれぞれ生きていく中で抱く孤独や疲れ、さみしさや依存、そう言ったものを、一人じゃないんだよ、みんな予定調和みたくならないんだよ、と語ってくれてます。あーそうだよねぇ、ほんとどうしようもなくそうなっちゃう、そんなことを心の中で思いながら、まるでその番組を聴いているかのように読了しました。
2023/03/19
青
失礼ながら二村さんは存じ上げていなかったため、燃え殻さん目的で読みました。あとは、帯に書いていた二村さんのスナフキンに関する記述があったのでそれもきっかけです。 元々はラジオがベースで、それを本の形にしたということですが、おふたりがいい関係性を築いているため穏やかな空気感が流れる一冊でした。 ちょっとAVの監督の単著を買う勇気はないけれど、二村さんの話し方(?)は好きだったので、他の本も読んでみたいです。
2023/12/15
感想・レビューをもっと見る