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わが家は幽世の貸本屋さん -あやかしの娘と祓い屋の少年- (ことのは文庫)

わが家は幽世の貸本屋さん -あやかしの娘と祓い屋の少年- (ことのは文庫)

わが家は幽世の貸本屋さん -あやかしの娘と祓い屋の少年- (ことのは文庫)

作家
忍丸
六七質
出版社
マイクロマガジン社
発売日
2019-06-22
ISBN
9784896378917
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「わが家は幽世の貸本屋さん -あやかしの娘と祓い屋の少年- (ことのは文庫)」のおすすめレビュー

オトナ女子向け! 注目の新レーベルから、“あやかし”テーマの切な優しい物語が登場!

『わが家は幽世の貸本屋さん ―あやかしの娘と祓い屋の少年―』(忍丸/マイクロマガジン社)

 様々なレーベルがしのぎを削るライト文芸ジャンルに、6月より新たなレーベルが参戦する。マイクロマガジン社が放つ、オトナ女子向け“ことのは文庫”だ。記念すべき第1弾『わが家は幽世の貸本屋さん ―あやかしの娘と祓い屋の少年―』(忍丸/マイクロマガジン社)は、あやかしをテーマにした、切なくも優しい愛情にまつわる物語だ。

 幼い頃に幽世こと、あやかしたちの跋扈する世界へ迷い込んだ人間の女の子、夏織。貸本屋を営むあやかしの東雲に拾われて、すくすくと成長した。20歳になった夏織はある日、行き倒れていた少年、水明を助ける。現世で祓い屋をしていた水明は、あるあやかしを捜して幽世にやってきたらしいのだが……。

 どこまでも天井が高く、図書館よりも蔵書数の多そうな貸本屋の内観。窓からは青色に染まった幽世独特の常夜の日射しが差し込んで、幻想的に光る蝶や海月が優雅に舞っている。木造の梯子に腰をかけるかわいらしい女性の傍らには、尻尾が3本ある黒猫が。そんな彼女を白髪の少年が、階上からじっ…

2019/6/22

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『わが家は幽世の貸本屋さん あやかしの娘と祓い屋の少年』(忍丸/マイクロマガジン社)

――それは昨日の夜のこと。

 降り始めた雨が止む気配はなく、水分を含んで重くなっていく服や、肌着が肌に張り付く感覚が不愉快極まりない。

 けれど、今はそれどころではなかった。

 私は絶望の表情を浮かべると、雨の中、ひとり立ち尽くしている養父の顔を見つめた。

「東雲さん、とうとう殺っちゃったのね……」 「殺ってない。断じて殺ってないぞ」 「東雲ならやりかねないわよね」 「黙ってろ、にゃあ!」…

2021/4/1

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『わが家は幽世の貸本屋さん あやかしの娘と祓い屋の少年』(忍丸/マイクロマガジン社)

第一章 大歩危の爺

 窓の外では、さぁさぁと雨が降り続いている。そもそも常夜である幽世で雨が降ると、星々の光すら失われて、世界が闇に塗りつぶされてしまう。こういう時は、それこそ幻光蝶の明かりに頼るしかない。部屋に置かれたランプには二匹の蝶。それらが放つ幻想的な灯火は、ちろちろと辺りを不規則に照らし出している。

「不味い……」

 そんな中、私は突き返されたお椀を目にして、ヒクヒクと眉を引き…

2021/3/31

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わが家は幽世の貸本屋さん -あやかしの娘と祓い屋の少年- (ことのは文庫) / 感想・レビュー

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takaichiro

人間なのに妖に育てられた夏織が優しくてお人好しの幽世の住民達に囲まれ生きる物語。夏織を育てた東雲さんと貸し本を営み物語を届けながら、ちょっとした出来事に遭遇する。とても軽いタッチ、リズムで描かれた本作は箱根の一泊旅行に向かうロマンスカーや田舎に帰る新幹線の中で、偶にウトウトしながら読んでみたい^_^Net galleyで読ませてもらいました^_^Bye thank you!

2019/06/03

ベーグルグル (感想、本登録のみ)

人が暮らす現し世とあやかし達が暮らす幽世。幽世に迷い込み生活を営む稀人の夏織。あやかしの養父である東雲。東雲の貸本屋を通して、あやかしたちとの交流し暮らしている。幽世は恐ろしい所かと思いきや、ユーモラスで楽しく幻想的であった。そこに犬神を探し迷い込んだのは祓い屋の水明。どうなるのかと一気読みだった。キャラクターも魅力的で絆の深さが良かった。続編も是非読みたい。

2022/01/22

はつばあば

私達の住む現し世と道祖神を軽く触れるだけで幽世の世界に行けるなんて想像しただけでワクワクしませんか?。ある時3歳くらいの女の子が幽世の世界に迷い込んだ。人間の親は悲しんだでしょうし、幽世で貸本屋を営む養父となった東雲が人の子をどう扱っていいのやらと困った顔が浮かぶます。妖ばかりの世界で夏織は皆に可愛がられて育ち・・現し世でバイトして生活費を稼いでいます。現世と幽世・・都会と田舎の違い位しかないし、泣き虫怖がりの夏織のお陰で妖たちは忍耐力を養えたようです(笑)・・それは冗談ですが。人と妖の共存面白いです

2021/05/02

ゆなほし

あやかしが跋扈する幽世で貸本屋を営む変わり者のあやかし東雲に拾われ、人の身でありながらあやかし達と暮らす夏織は、ある日行き倒れていた少年水明と出会い…。とても良作。どこまでも続く本棚、人間に集まる幻光蝶、恐ろしいけど心根は優しいあやかし達、物語を構成する全てが他のあやかしものとは一線を画す魅力を持っている。程よくコメディも差し込まれ、しかし根底には人種を超えた家族愛がしっかり描かれており、丁寧で読みやすい描写が世界観を確かなものにしている。裏表紙まで続く装丁もとても綺麗で見事。続編も期待したい。

2019/11/06

たぬ

☆4 あやかしってつまり妖怪か! しかもヒロインの実家は貸本屋ってなんという私得。地獄経由で現世各地に行くのも新鮮味があるし雌猫そのまんまな性格の化け猫も気に入った。感情表現(特に泣きの場面)がまっすぐすぎてこっぱずかしくなるシーンがそこそこあったことを除けば結構好きな作品です。

2021/07/08

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