混雑するアジサイ時季、“鎌倉の穴場”を3つ教えます! 『散歩の達人』編集長コラム

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2019/5/21

『散歩の達人』6月号(交通新聞社)

 こんにちは。月刊『散歩の達人』編集長の土屋です。

 6月号の大特集は「鎌倉・江ノ電ストーリー」。古くて懐かしいものを守りつつも、常に新しいスポットが生まれる鎌倉。海も山もあり、つい歩きたくなる狭い路地も入りたくなるお店もたくさん点在しています。そしてなにより鎌倉を鎌倉らしくしてくれるのが数ある寺社。懐深い寺社が待っているから、いつ行っても散歩が楽しいのかもしれません。今回の特集では、大人だからこそ楽しめる場所&物探しをテーマにコースや物件をセレクト。定番だけどやっぱりいいところも、ちょいマニアックなものもご提案。自分だけの物語を探しに出かけてもらえるような企画満載でお届けします。

 6月の鎌倉といえばアジサイ。初夏の過ごしやすい気候と相まって、観光客でいっそうにぎわう時季です。そこで今回のコラムでは、混雑を避けた鎌倉の穴場さんぽテーマを3つ紹介しましょう。

 まず1つ目は「アジサイ新名所さんぽ」です。誌面では長谷寺、明月院など行列必至の定番名所以外の8カ所を紹介しています。知られていないけれど、それなりにアジサイが多いスポットが鎌倉にはいくつもあるのですが、ただの群生というだけでは、鎌倉にアジサイを見に行く理由としては弱い。鎌倉のアジサイは、そのアジサイが植わっている境内(道)の様子や、アジサイ自体の剪定など管理が行き届いていることが大事だと思うのです。そしてそんなスポットは、やはり見応えが違うもの。今回は地元カメラマンに案内してもらい、新名所を選んでみました。

 その中の1つ、白山神社は、場所的には鎌倉中心部からちょっと離れるものの、神社とアジサイの穏やかなコラボが楽しめる場所。大船駅からバスで今泉方面に向かったところにあるのですが、ここは喧噪とは無縁の里山風景とともにアジサイが楽しめます。バス通りから石段を上って行くと石段の両脇にアジサイがずらり。静かな風景の中、鮮やかな色味が際立ち、神社へのお参りも楽しくしてくれます。そして、さらにバスでもう少し奥に行くと称名寺(今泉不動)が。ここは、境内に滝(陰陽の滝)が流れている珍しい寺。その佇まいにはきっと心癒やされるはずです(誌面でも紹介しています)。

白山神社の山側から参道を望む。鳥居側から山を望む風景は誌面参照。

 穴場テーマ2つ目は、「江ノ電沿線さんぽ」。GWもそうでしたが、江ノ電はトップシーズンには乗車待ちをしないといけないほどの混雑で有名。でしたら、江ノ電乗車の雰囲気を感じられる沿線さんぽはいかがでしょう。誌面でも少し紹介していますが、江ノ電は駅間も短いので、ちょっとしたウォーキング感覚で歩ける上、長谷駅付近は御霊神社など沿線に名所も多いし、極楽寺駅は駅自体の佇まいも素敵。駅周辺だけだと探しきれないスポットも発見することができます。今回の取材時には、稲村ケ崎駅から極楽寺方面に歩いたところにあった『おむすびや たかはし』でおむすびを購入。新潟魚沼エリアの棚田産というお米の味を生かしたおむすびは、散歩途中の休憩にぴったりでした。

『おむすびや たかはし』のおむすびを極楽寺駅前でぱくり。買い食いはトンビに注意!
由比ケ浜~和田塚間には、線路際にこんな細い路地があった。

 最後、3つ目の穴場テーマは、その名の通り「穴さんぽ」です。一方を海、三方を山で囲まれた鎌倉では「やぐら」という中世の横穴墓だけで数千あるほか、素掘りトンネル、横井戸、軍事洞窟などもあり、“穴の都”といっても過言ではないほど。今回は鎌倉七口ならぬ“鎌倉七穴”を選定し、穴場の穴を紹介しています。とくに興味深かったのは、寿福寺のやぐら。鎌倉五山第三位の格式高い寺の墓地に、鎌倉でも屈指のやぐら群があるとは思いもよりませんでした。写真では見づらいのですが、山肌にいくつもやぐらが口を開いています。しかもその中の2つが北条政子と源実朝の墓。歴史的な裏付けも手伝って、やぐら自体への風格も増すように感じた場所です。現代の墓地も併設されているだけに、角柱墓のひとつが北条政子の墓だと思っていた人も多いようで、なぜか私が「北条政子の墓はどこですか?」と聞かれるほどでした。ほかにも北鎌倉の瓜ガ谷地蔵やぐらや朱垂木やぐらなど、マニアックなやぐらがいくつもあります。歴史も感じられて、趣もある鎌倉ならではの遺構をぜひ巡ってほしいと思います。

寿福寺のやぐら。左下に北条政子の墓、右下に源実朝の墓がある。
鎌倉七穴の一つに抜擢した、大町の住宅地に佇む「六方の井」。

 さて、特集では、ほかにも鎌倉・江の島エリアの企画がずらり。現代によみがえった鎌倉仏師・奥西希生さんに聞く「仏像の楽しみ方」をはじめ、座禅や景色、精進料理などを楽しむ「鎌倉の寺で過ごす時間」、編集部員とライターが義経と静御前に扮した「鎌倉もののふツアー」のほか、「寄り道したい 晴ればれランチ」「カフェという名の秘密基地あります」「地元漁師の太鼓判! 地魚がうまいめし処」などなど盛りだくさんです。

 また今号では、特別企画と第2特集にも注目。特別企画では、柴犬連れおっさん3人によるドラマ『柴公園』の映画化に合わせて、主演俳優・渋川清彦さんにインタビュー。

 第2特集では、単なる山歩きの提案に留まらず「ソロハイク=ひとり山さんぽ」を提案。これからの低山歩きにぴったりな時季にこそトライしてほしいのが、思い立ったら自由に歩ける「ソロハイク」なのです。

 爽やかな散歩日和が続く今こそ、「鎌倉・江の島さんぽ」や「山さんぽ」を楽しんでみませんか? そしてそんな情報が満載の本誌を、どうぞ一度、手に取ってみてください。

土屋広道(つちやひろみち)
1972年生まれ。関西学院大学社会学部卒業後の1996年に株式会社弘済出版社に入社(合併を経て2001年に株式会社交通新聞社)。『鉄道ダイヤ情報』『旅の手帖』編集部を経て、2008年より『散歩の達人』編集部所属。2017年11月号より同誌編集長。

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