司法書士作家語る「“終活”は老人限定のものではない」
人生の最終章をいかに送るべきか。葬儀や墓の準備、相続を含めた遺書の作成など、残された余生のプランニングを積極的に進める人が増えている。数年前から、こうした動きは“終活”と呼ばれ注目を集めるようになった。
安田依央さんの新作『終活ファッションショー』(集英社)は、タイトルにあるとおり、この終活をテーマにした物語だ。物語の中心人物である市絵と同じく、安田さんは司法書士としての活動も行っており、終活ファッションショーを実際に企画運営したことがあるそうだ。
「司法書士という仕事をしていれば、遺言書の作成や相続など、人の死に関わる機会が少なくありません。やっていればわかりますが、普通の人は自分の死についてほとんど考えることがないんですよ。たとえば、どんな葬式をしてほしいのか、どんなお墓に入りたいのかといった意思表示すらしていないのが現状。遺言書に希望を書いたとしても、それを開けるのは葬儀が滞りなく終わったあとですから意味がないんです。以前から感じていたこのモヤモヤした気持ちを何とか解消できないものかと考えた末に私が出した答えが、終活ファッションショーでし…