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「押見修造」のレビュー・書評

美しいあの母親は毒親だったのか? 『惡の華』押見修造氏が描く母親と息子の運命の歯車を描いた『血の轍』がついに完結

美しいあの母親は毒親だったのか? 『惡の華』押見修造氏が描く母親と息子の運命の歯車を描いた『血の轍』がついに完結

『血の轍』(押見修造/小学館)が完結した。全17巻。ひとりの男、長部静一の人生を描いた漫画だととらえるなら短い。しかし彼の人生は険しいものだった。中学生という人生のごく早い時期に母親に心を踏みにじられ人生を狂わされ、親もとを離れてもなお精神的…

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沼に繋がれた鎖の男性器。『惡の華』押見修造が描く、10代の性別と性欲の苦悩が生々しい『おかえりアリス』

沼に繋がれた鎖の男性器。『惡の華』押見修造が描く、10代の性別と性欲の苦悩が生々しい『おかえりアリス』

私たちは生まれてからしばらくして、自分の身体性が男性なのか、それとも女性なのかに気づく。そこまで考えてふと不思議に思う。そういった身体性を意識するまで、私は自分や周りにいる人たちをどのようにとらえていたのだろうか。 私の場合は覚えていない。…

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『惡の華』著者による母親を描いた問題作。美しかった母親が、今では貧しい老女にしか見えない理由とは

『惡の華』著者による母親を描いた問題作。美しかった母親が、今では貧しい老女にしか見えない理由とは

時は戻らない。 私たちは人生で何度もそれを実感させられる。 どんなに後悔しても嘆いても、人生は止まってくれない。淡々と時代は変わり、私たちはその変化に振り回されて、こう思う。 「時を、あのころに戻してほしい」 『血の轍』(押見修造/小学館)の主…

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『血の轍15』母は語り、息子は見つめる――読者の誰もが知りたかった「毒親」の過去がいま明かされる!

『血の轍15』母は語り、息子は見つめる――読者の誰もが知りたかった「毒親」の過去がいま明かされる!

※本記事にはマンガのネタバレが含まれます。 13歳の少年・静一と母親・静子のいびつな関係を描いていた『血の轍』(押見修造/小学館)。母に人生を狂わされ人を殺してしまった静一は、その母からも見捨てられて救護院に送致される。 しかしこの1巻から12巻ま…

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「僕は生きてしまった」母に翻弄されて人を殺した少年、衝撃の裁判から約20年を経て『血の轍』は本章へ

「僕は生きてしまった」母に翻弄されて人を殺した少年、衝撃の裁判から約20年を経て『血の轍』は本章へ

『血の轍』(押見修造/小学館)の1巻では、どこにでもいる明るい少年として主人公・静一は描かれていた。しかしその後、母親によって彼の人生は一変する。時に息子に依存し、時に突き放す母・静子に翻弄されたあげく人を殺してしまった静一は、法廷で静子に…

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主人公の洋平、「新しい性」を持つ慧、幼なじみの結衣……三角関係が変わっていく『おかえりアリス』3巻

主人公の洋平、「新しい性」を持つ慧、幼なじみの結衣……三角関係が変わっていく『おかえりアリス』3巻

すべての人間を、「男」と「女」、ふたつの性で分けることはできない。漫画『おかえりアリス』(押見修造/講談社)を読みながら、今や当たり前とされている事実に実感が伴ってきた。 『漂流ネットカフェ』『惡の華』、そして「ビッグコミックスペリオール」…

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男でもなく女でもない「自分」、揺らぐ幼なじみの三人の関係。押見修造の新境地『おかえりアリス』

男でもなく女でもない「自分」、揺らぐ幼なじみの三人の関係。押見修造の新境地『おかえりアリス』

『ハピネス』『惡の華』、そして「ビッグコミックスペリオール」で連載中の毒親に翻弄される少年が主人公の『血の轍』。数々のヒット作を生み出してきた押見修造さんの漫画の特徴は、独特の暗さが漂う画風と最大限までモノローグを抑え表現される内容の濃密…

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性別にとらわれない“慧ちゃん”に翻弄される――押見修造が青春の暗部を描く『おかえりアリス』

性別にとらわれない“慧ちゃん”に翻弄される――押見修造が青春の暗部を描く『おかえりアリス』

「突然友だちが豹変してしまったら、自分はどうするだろう」――。『おかえりアリス』(講談社)を読み終わったあと、多くの読者は自分にそう問い直すのではないだろうか。同作は『ぼくは麻理のなか』や『惡の華』など、さまざまな思春期の“目覚め”を多く描い…

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