「人ってちゃんと回復していくんです」──ダイレクトに心に”効く”連作短編集『夜空に浮かぶ欠けた月たち』窪美澄インタビュー
※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2023年5月号からの転載になります。 「ふいに背中にあたたかなものが触れた」。たとえどんなに物語がつらい方向へ向かっていっても、どうしようもない思いに登場人物がとらわれていても、窪さんの小説には、いつもそんな感覚…
※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2023年5月号からの転載になります。 「ふいに背中にあたたかなものが触れた」。たとえどんなに物語がつらい方向へ向かっていっても、どうしようもない思いに登場人物がとらわれていても、窪さんの小説には、いつもそんな感覚…
ふくふく太った夫婦は、行列のできる近所のパン屋のメロンパンをふくふくと頬張る。“十分幸せじゃないか”。冒頭の一編「1DKとメロンパン」の主人公、35歳の知佳は心からそう思っている。ささやかな借り住まいでも、夫の年収が自分の半分ほどでも、それから――…
小説に登場するベッドシーンは、グロテスクに性を炙り出したものから、爽やかな切り口でえぐみをまったく感じさせないものまで、実に多種多様だ。本稿ではそんな中から、素直に「美しい」と感じるベッドシーンを5つご紹介したい。 このまとめ記事の目次 ・た…
株式会社ドワンゴが運営する日本最大級の書評サイト「読書メーター」と、株式会社KADOKAWAが発行する本とコミックの情報サイト「ダ・ヴィンチニュース」がコラボして開催されている「献本プレゼント」企画。 「読書メーター」のWEBサイト、又は連携するTwitt…
全国から桜のたよりが届く頃、今年は書店の店頭にも美しい花が咲く。窪美澄さんの待望の新作長編『やめるときも、すこやかなるときも』(集英社)の表紙にはやわらかな青空をバックに花が美しく咲き誇り、結婚式の愛の宣誓を引用したタイトルと共に「幸せな…
『きみのために棘を生やすの』(窪 美澄、彩瀬まる、花房観音、宮木あや子、千早 茜/河出書房新社) この数年で女性の書き手による、女性のための官能小説が、飛躍的に増えたのはご存じだろうか?リアルで共感できるストーリー展開に加えて、女性ならではの…
こんな日に降るこの雨の名前を知りたかった——。満たされない思い、逃げ出したくなるような現実。『ふがいない僕は空を見た』など話題作を連発し、今もっともエンタメ界の注目を集めている著者が、雨の音を背景に描いた、ヒリヒリするほど生々しい5人の物語。
子どもは育つ。こんな、終わりかけた世界でも――。七十代にして現役水泳インストラクターの晶子。家族愛から遠ざかって育ったカメラマンの真菜。全く違う人生が、震災の夜に交差する。食べる、働く、育てる。二つの生き方を戦前から現代まで丹念に追う感動長…