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「山本文緒」のレビュー・書評

がんで余命半年と宣告された小説家が遺した5カ月の記録。山本文緒氏が最後まで読み、書き続けてきた末の言葉とは?

がんで余命半年と宣告された小説家が遺した5カ月の記録。山本文緒氏が最後まで読み、書き続けてきた末の言葉とは?

通読するのに相当な覚悟がいるだろうなと思っていた。受け止められるかどうか不安でもあった。小説家の山本文緒氏が、膵臓がんと診断されてから、逝去するまでの5か月を綴った本だと知っていたからだ。 『無人島のふたり 120日以上生きなくちゃ日記』(新潮…

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山本文緒の魅力が凝縮された一冊。幸せの表裏を描き、読者の願いに寄り添う短編集『ばにらさま』

山本文緒の魅力が凝縮された一冊。幸せの表裏を描き、読者の願いに寄り添う短編集『ばにらさま』

2021年10月13日、作家の山本文緒さんが亡くなった。それは、ちょうど9月に発売された短編集『ばにらさま』(文藝春秋)のレビュー初稿を書いてまもなくのことだった。 山本文緒さんは1987年、『プレミアム・プールの日々』でコバルト・ノベル大賞の佳作を受…

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2度読み必至の衝撃短編集! 痛くて、切なくて、引きずりこまれる……直木賞作家・山本文緒最新作『ばにらさま』

2度読み必至の衝撃短編集! 痛くて、切なくて、引きずりこまれる……直木賞作家・山本文緒最新作『ばにらさま』

『ばにらさま』(山本文緒/文藝春秋) 人間は誰でも心に大きな穴が空いていて、いつだってそれを埋める方法を探し求めている。穴を埋めてくれるものに出会えれば良いのだが、世の中そう甘くはない。だから、私たちは毎日自分自身に「大丈夫」と言い聞かせて…

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7年ぶり山本文緒の新作は、地元のモールで働く32歳独身女性が主人公。アパレル店員にとって身繕いは鎧兜か!?

7年ぶり山本文緒の新作は、地元のモールで働く32歳独身女性が主人公。アパレル店員にとって身繕いは鎧兜か!?

前作『なぎさ』から7年ぶりの小説。長かった。そして待った甲斐があった。山本文緒7年ぶりの新刊『自転しながら公転する』(新潮社)は、相変わらずリーダビリティーが高く、450ページ超という長さを感じさせない傑作である。 舞台は茨城県の牛久。主人公の…

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赤裸々な作家の日常生活エッセイ、のように上手に創作してるのかな

赤裸々な作家の日常生活エッセイ、のように上手に創作してるのかな

「プラナリア」や、「ブルーもしくはブルー」など、男女を問わず幅広く読まれて支持されている作家、山本文緒のエッセイをまとめたのがこの1冊。彼女の作品には、どうしてもダメ! 的な受け付けられない嫌な女が、道徳観のない女が、感情移入のできない女が…

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人を好きになりすぎるってなんでこんなに辛いんだ! これぞ恋愛小説の底力!!

人を好きになりすぎるってなんでこんなに辛いんだ! これぞ恋愛小説の底力!!

恋愛小説というジャンルを超えて、単純に小説としてものすごくおもしろかった!! 失恋によって普通に生活できないレベルになったことがある人って、実は結構いるはず。主人公の水無月も、人を愛しすぎてしまうことで不幸になってしまう女。だから水無月は「…

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