心の隙間に吹き込む秋風にも似た、透明で乾いた世界観
幸か不幸か、原作を読んだのは押井守監督によって映画化されたあとでした。 もちろんね。映画はあくまで映画で、こちらは文芸作品ですよ。 でもね、やっぱり行間に映像から受けた、はかないイメージが浮かんでしまうんですね。 映像を見る前に、本書を読んだ…
幸か不幸か、原作を読んだのは押井守監督によって映画化されたあとでした。 もちろんね。映画はあくまで映画で、こちらは文芸作品ですよ。 でもね、やっぱり行間に映像から受けた、はかないイメージが浮かんでしまうんですね。 映像を見る前に、本書を読んだ…
森博嗣のデビュー作にして、メフィスト賞受賞、そして犀川教授と西之園萌絵探偵コンビシリーズの第一弾でもある。 初めて読んだ時は、なんだか取っつきにくい新しさを感じたものだったが、今回改めて読みなおすと、なんのことはない綺麗に体裁の整った本格ミ…
今から15年前。惰眠時空間を埋めるように、夜な夜な“森S&M世界”に沈潜した私がいた。 何が理系な私を熱狂読破に駆り立てたのか? F年ぶり(16進法)再読し、その解を得た。 理系ミステリーには、見捨て理~という名の理系が見捨てたい超理が隠躍するのだ。 …
建築学の研究者であり、小説家である著者による、「科学」を説いていくエッセイ。 何を隠そう僕自身、文学部卒業のド文系です。「科学」なんて、遠い向こう岸の碧い芝。「科学」に対するはっきりとした意識や定義をしないままに、これまでの人生を過ごしてき…
物心がついた頃から文系だったという自覚のある私には、理系世界に対するあこがれがある。数式は美しいとか、物理や化学の研究が楽しくてたまらない、なんていう人には尊敬のまなざしを向けてしまう。そんな思いもあるものだから、理系人間の生活や大学の研…
「スカイ・クロラ」シリーズの謎解きとなる短篇集! 2年前の夏に観た映画「スカイ・クロラ」が記憶にまだ新しい私、その続編が電子書籍でも読める! と思い、いそいそと購入しました。 「永遠の子供たち」、キルドレのその後は? 女性パイロット・クサナギス…