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「藤野可織」のレビュー・書評

怖いだけじゃなく思わずクスッと笑わされる! 芥川賞作家・藤野可織の“幽霊探し”エッセイ

怖いだけじゃなく思わずクスッと笑わされる! 芥川賞作家・藤野可織の“幽霊探し”エッセイ

『私は幽霊を見ない』(藤野可織/KADOKAWA)  この世から何の未練も残さず去ることのできる人などいるわけがないのだから、世の中に無数の幽霊が潜んでいたとしても何もおかしいことではない。だが、幽霊は見える人には見えるし、見えない人には見えない。一度くらいは幽霊を見てみたいものだが、そう簡単にはいかないものなのか。  芥川賞作家・藤野可織氏による初のエッセイ集『私は幽霊を見ない』(KADOKAWA)を読むと、幽霊に会うのは、なかなか難しいことなのかも…

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隣の家の中を覗きたい女が解き明かす家の歴史とは【芥川賞受賞作】

隣の家の中を覗きたい女が解き明かす家の歴史とは【芥川賞受賞作】

 昔住んでいた部屋に今は別の人が暮らしているなんて想像できない気がしていたが、ベランダに干された知らない誰かの洗濯物を見たとき、ああ、別に何も寂しがる必要なんてないのだと思った。家は住人とともにあらゆる形に成長していく生き物なのだろう。住む人が変われば家も生まれ変わる。もしかしたら、家を知ることは住人を知ることなのかもしれない。そんな家がひしめく街を歩けば、ワクワクさせられるかもしれない。  柴崎友香著『春の庭』は第151回芥川賞を受賞した話題作だ。ある家の…

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フラウ文芸大賞受賞作!この夏、女子が読むべきキュートでダークな短編集

フラウ文芸大賞受賞作!この夏、女子が読むべきキュートでダークな短編集

 いくら食べてもいくら寝ても満たされない時、子どもは、「何か面白いお話して何か面白いお話して」と人にねだる。大人だって同じようなものだ。単調な生活だけでは物足りない時、人はいつも面白い話を求める。人に元気を与えてくれる「お話」がたくさん入った本がもしあるならば、ぜひとも手にとりたい。そんな願望を叶えてくれる作品がある。  『おはなしして子ちゃん』は『爪と目』で芥川賞受賞した藤野可織氏の最新作だ。第2回「フラウ文芸大賞」を受賞した本作には10個の短編が入っているぜ…

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芥川賞受賞のホラー純文学

芥川賞受賞のホラー純文学

怖い話ですよ、これは……。少なくとも巷のサイコホラー程度には。しかも、武器を見せつけたり、狂気の理由を書いたりしないから余計に怖い。内容がいちいちグッサリ鋭いのに、鋭利な刃物は見せない。例えていえば、紙で指を切ったらその紙に遅効性の毒が塗ってあった、というような感じでしょうか。 平易な言葉を選び、二人称で書かれた物語は、読みやすく、とっつきやすささえ感じられます。少なくとも『abさんご』のように実験的な文体に驚かされることはないし、ルビが必要な難しい漢字が出てく…

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