「ろくでもない人間がいる。お前である」が28万“いいね”の大バズり! 舞城王太郎節が炸裂した予測のつかない展開とカタルシス
〈ろくでもない人間がいる。お前である〉というセンセーショナルな書き出しの小説がTwitterで大バズりしたことをご存じだろうか。しかも二度も。 それが舞城王太郎氏の短編集『短篇七芒星』(講談社)に所収の「代替」の冒頭である。2022年9月、上記の書き出…
〈ろくでもない人間がいる。お前である〉というセンセーショナルな書き出しの小説がTwitterで大バズりしたことをご存じだろうか。しかも二度も。 それが舞城王太郎氏の短編集『短篇七芒星』(講談社)に所収の「代替」の冒頭である。2022年9月、上記の書き出…
「汚いものに触れたくない」それはほとんど誰しもが自然と抱く感情だろう。不潔な人を見るとつい顔をしかめてしまう。駅のトイレが汚いとゾッとする。プールの脱衣所に落ちた髪の毛を踏むと鳥肌が立つ。しかし、それを見たときに「綺麗にしなくては!」と強…
思春期のピュアな恋愛感情を描いた作品集『私はあなたの瞳の林檎』(舞城王太郎/講談社)に続き、『されど私の可愛い檸檬』(舞城王太郎/講談社)が刊行された。この2冊に共通するテーマは、大切な人への愛。前作『林檎』が“恋篇”だったのに対し、今作『檸檬…
自分の私生活が荒んでいるからか、舞城王太郎さんの新刊『私はあなたの瞳の林檎』(講談社)のピュアさにひどくあてられてしまった。収録されている3編「私はあなたの瞳の林檎」「ほにゃららサラダ」「僕が乗るべき遠くの列車」は、いずれも読者を思春期の感…
舞城王太郎の小説って「なんや、ワカラン」といわれることが多々ある。特に本作『獣の樹』はどう解釈していいかさっぱり見当がつかない、そんな声も漏らされたりしているようだ。 でも、僕の感想はまるっきり違う。こんなわかりやすい物語はないではないか。…
ご紹介する舞城王太郎さん『短篇五芒星』は、第147回芥川賞の候補作です。恥ずかしながら、舞城さんの作品を読むのは今回が初めてでして、なのにこんな原稿を書いていいのかという葛藤を抱えつつ、話を進めたいと思います。 タイトルにもあるとおり、本作に…