不倫に溺れる女性たち。「女の本当の幸せ」とは何か?
『不倫』(パウロ・コエーリョ/KADOKAWA)
昨今世間を賑わせた不倫騒動。 幸か不幸か、その真っただ中で発売されたのが、パウロ・コエーリョ著『不倫』だ。
『ベロニカは死ぬことにした』にて女性の細やかな心情と取り巻く環境を描写したコエーリョ。本作もまた女性を主人公に、衝撃的なテーマで物語を展開していく。
結婚10年目。31歳。裕福で自分を心底愛してくれる夫、かわいい2人の子供、何不自由ない生活を送るキャリアウーマンの「リンダ」。しかし仕事のあるインタビューをきっかけに、彼女の心の中にひとつの疑問が生まれる。「―これでいいの?」
そんな時、彼女は昔のボーイフレンドであり、魅力的な若き政治家「ヤコブ」に出会ってしまう。自分の人生にわずかな綻びを感じていたリンダの手を引くように彼は言う。「君は幸せなのかい?」と。 その日を境に、リンダはヤコブとの禁断の関係がはじまる。許されないことと知りつつ不倫に溺れていくリンダの運命は……
本作の見どころは「何不自由ない生活を送っている」と自分で語るにも関わらず、禁断の関係に溺れていく女性のリアルな心情の変…