気付かないうちに泥沼にハマっている!? 改善したくてもできない人になってしまう理由/仕事に追われず自分の時間を確保する

暮らし

公開日:2023/10/21

 やることはたくさんあるのにいつも時間が足りない…。そして改善するための技術や効率を上げるスゴ技を教えてもらってもマネできず、結局解決しないという人は多いのではないでしょうか。

 そんな人には、ハック大学 ぺそ氏による『仕事に追われず自分の時間を確保する』がおすすめです。ハック大学 ぺそ氏は、チャンネル登録者数27万人超えのYouTubeチャンネル「ハック大学」で時間管理や業務の効率化といったビジネスに役立つ動画で人気を集めている人物。

 本書では動画で好評だったテーマ、なぜ時間が足りなくるのかを解説し、ちょっとしたマインド改革と方法で「仕事の時間不足を解消する」ワザを教えてくれます。仕事の優先順位が分からない人、メールの返信対応だけで数時間かかってしまう人に読んでもらいたい1冊です。

 時間を作るための手段はわかっても、結局実行できず、また悩むの繰り返し。そんな人にまず必要なマインドセットとは?

※本作品は書籍『仕事に追われず自分の時間を確保する』(ハック大学 ぺそ/ポプラ社)から一部抜粋・編集しました

仕事に追われず自分の時間を確保する
『仕事に追われず自分の時間を確保する』
(ハック大学 ぺそ/ポプラ社)

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「変化する」ことへのストレスと「伝えにくい」という感情

 ここまで「なくす」「へらす」「かえる」、この3つを実行することであなたに自由な時間が生まれる、ということをお伝えしてきました。
 そして、「なくす」は、なかなか実行するのは難しいけれども、実行できた暁には多くの時間が生まれます。そして「へらす」「かえる」に進むに連れてその効能はへるものの、対象は広がっていく、そういった話をしてきました。

 しかし、ここまで読み進めてきた人の中で、「いっていることはわかるけど、それをするのが難しいから、いますごく忙しいんだ」とモヤモヤしている人は多いと思っています。
 それはそうです。「お金持ちになりたいなら大金を稼ぎましょう」、「難関大学に受かりたいなら、合格点以上を取ればいいですよ」といわれたときのような、「できたらやっとるわい」という状態かもしれません。

 私はビジネス書を複数執筆しましたが、書いているとき、いつもある問いにぶつかります。その問いとは、「読者を動かすまでの力があるか」というものです。
 「正しいこと」、いわゆる正論はだれでもいえます。だれでもいえるし、究極的には無価値です。というのも、「勉強したほうがいい」のような正論は、読者にとって既知でしかないからです。つまり「わかる」と「できる」の差はとてつもなく大きく、その狭間を超えさせる助言をしないと意味がない、ということです。

 話を戻します。ここまで、私は「こうすればこうなる」という当たり前のことしかお伝えしてきませんでした。だからこそ読者のみなさんの多くが、「できたらやっとるわい」状態になっている可能性は高いと思います。
 ですので、この章では、みなさんが抱える現実的な問題やリアルな職場環境も鑑みた上でも使える、アクションプランとしての「時間的な余裕を作る」方法をお伝えしていきます。

 あなたを含む従業員と雇用契約を結んでいる企業は、従業員がサボるために時間を確保するような行動を許しません。ですが、より会社にとって有益な行動を取るために時間を確保する行動であれば歓迎します。平たくいえば、「会社のために捨てるべきもの捨てる」「会社のためにやるべきことをやる」というのは、どんどんやってほしいのです。

 もしかすると、いまあなたがやっている「これってどんな意味があるんだろう?」というタスク、あなたの疑問のとおり会社にとって無意味かもしれません。しかし、なぜあなたも、あなたの周囲も、それをやり続けることをやめないのでしょうか。これには大きく2つの理由があると思っています。

 まず1つ目は、「変化することへのストレス」です。人は変化したくない生き物です。コンフォートゾーンとかホメオスタシスなどという専門用語でも解説されるように、人間は本能的に「かわることはリスクだ」と感じるようになっています。
 前の担当者も、その前の担当者も、ずっとずっとやり続けていたタスクに対して、「やり続けること」よりも「やめる(やり続けるということをかえる)こと」のほうが大きなストレスがかかるということです。この作用によって、続けよう」という考えになってしまいます。
 ですが、ここまでお読みいたあければ続けるべきかを感情抜きで判断できているはずなので、ストレスに負けずに正しい選択ができると思います。

 そしてもう1つの要因は、(こちらのほうがやっかいなのですが)「(なくす・へらす・かえるということを)伝えにくい」という点です。これはみなさんも共感できると思います。
 さらに、次節で説明しますが、お願いされた仕事を「断る」というケースも想定され、これは相手の期待をある意味で裏切る行為であり、人によっては「嫌われるかもしれない」という感情が出てくるかもしれません。この感情が出てくること自体はなにも悪いことではありませんが、冷静な判断の邪魔をします。

 では冷静に判断するとはどういうことなのか。それは「なくす(断る)・へらす・かえるメリット」と「なくす(断る)・へらす・かえるデメリット」を比較し、どちらを選ぶかを検討することです。
 この天秤のかけ方は次節以降で詳しくお伝えしますが、なにかを依頼されたり、仕事を投げられたりしたとき、感情が動いて突発的に「やります!」と答えたくなるときにこそ、冷静になることが重要です。

 なにもすべてのタスクを「なくしなさい・へらしなさい・かえなさい」とはいっていません。すべての依頼を断りなさいという意味でもありません。
 ただ、指示されるまま思考停止でやり続けるのはやめましょう、少なくとも突発的に無思考でOKを出すのはやめましょう、という話です。
 あなたがやるべきでない仕事を続ける、引き受けるというのは、周囲にその相手にいい顔しながら、未来の自分に仕事を押しつけている八方美人であるということです。心当たりはないでしょうか。

 つまり、「なくす」「へらす」「かえる」のロジックはわかったけど実際に職場でどうすればいいの?と思う方こそ、マインドセットをかえることが第一に必要なことなのです。

 時間は作ろうと思わないと作れません。あなたの周囲にいる「時間に余裕のあるあの人」は、なんとなく時間が降ってきているわけではなく、時間を作る工夫や努力をしているということです。この点でサボッていないんです。
 次節からは具体的にマインドセットをどうかえるのかについて解説していきます。

<第4回に続く>

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