つぶやきシローの青空読書『舞姫』を読んだよ

更新日:2013/12/20

つぶやきマーカー

「麦酒(ビール)とか棒(キュー)とかシャレてるでしょ。でも自分のことは”余”っていうんだよね」

「太田が「俺は真面目でみんなと一緒にビールも飲まなければビリヤードのキューをとることすらしない」、ってことを言いたいんだけど文体が面白いね?。ほんと、文章が古典みたいでしょ。内容を全部理解するってよりも、オシャレな言葉のリズムを楽しむって感じだね」

「とにかくすごい言い回しだよね。不器用男の悶々とした恋愛感情が表されてるよ」

「エリスへの愛情を「悲痛感慨の刺激」とか、「脳髄を射て」とかってたいそうな言葉で表現しているのよ。意味はよく分からないけど、太田がどれだけ彼女を愛していたかなんとなく感じるよね。でもきっと彼は不器用だっただろうから、実際の恋愛表現は下手だったんじゃないかと思うよ」

「あーあ、言っちゃったよ。こういう友達いるよね。ツイッターとかで重大なことをつぶやいちゃったりね」

「重大な報告を太田の口からじゃなくて、友達相沢の口から聞くことになったエリス。そりゃ「裏切り者!」って感じで精神も崩壊するよね。でも相沢に非は一切ないと思うよ。むしろ、「俺が代わりに言ってやる!」とかってよかれと思ってるかもしれない。こういう悪気はなくデリカシーない人ってたまにいるよね」。

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「甘くて切ない恋愛話だと思ってたら痛い目にあうよ。人間の弱さにぞっとする作品だね」

「一瞬にして人って壊れるものなんだよね。信じていた人に裏切られたっていう気持ちって、こんなに人を変えてしまうものなのね。正直びっくりしたよ。同時に僕はこんな濃厚な恋愛をしたことないんだな?と思ったね。常に流れに身を任せてきた太田が、自らの意思とは関係なく大きな業を背負ってしまう、皮肉な運命の物語だね」

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「イカと醤油」

愛情表現が不器用な父と、父を誰よりも尊敬し貧しい生活をも明るく楽しく過ごす息子・健太の物語。不足した日常は彼らにとって不幸ではない。しかし、健太が小学校に入学する頃、突然二人の生活に終わりが訪れる。理想な親子とは?つぶやきシローがその問いを投げかける。

僕が思う理想の親子を書いてみました。
こういう父親、こういう息子が今の時代もいてもいいんじゃないかって思います。