おじさんが私に憑依して恋を手助け!? 予測不“脳”の人生逆転ラブコメ!『おじさんが私の恋を応援しています(脳内)』/マンガPOP横丁(74)

マンガ

公開日:2021/8/27

おじさんが私の恋を応援しています(脳内)
『おじさんが私の恋を応援しています(脳内)』(井野ジュン/フレックスコミックス))

(今回も某“奇妙なドラマ”のテーマ曲を脳内再生しながらお読みください)

 こんばんは。またお会いしましたね。ストーリー・テラーの“ハモリ”です。前回は、いつも深夜の土手にひとりっきりで過ごすのが好きな少女とクールなイケメン同級生に憑依した宇宙人との交流を描いた青春ラブコメ『夜の下で待ち合わせ』(三次マキ/講談社)を紹介しましたが、今回は……と言いますか、今回“も”憑依系です。選書したのは間違いなく私ですが、先日気づきました。

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 さてそんな今回の憑依で日常がガラリと変わるのは、独身女性会社員。彼女に降りかかる不幸と、それと同時に起こる奇跡によって人生が一変、予測不能のドタバタ劇へと発展していきます。果たして彼女の身に何が起きるのか……作品のタイトルでなんとなく想像ができるかもしれませんね。そのタイトルとは、『おじさんが私の恋を応援しています(脳内)』(井野ジュン/フレックスコミックス)。

 独身、彼氏ナシ、毎日世間の荒波に揉まれる会社員の宮下まつりは、上司にこき使われるタイプ。この日もおつかいに行かされていることに少々お疲れモード。そんな彼女に“ブッ飛んだ”転機が訪れます。まさか営業一筋30年の家族をめちゃくちゃ愛するサラリーマンのおじさんと同じトラック事故の犠牲者になるなんて。さらに……。

 この時、ふたりの運命が重なります。

 まつりが目を覚ますと、そこは病院のベッドの上で、周りにいる人から「宮下さん、大丈夫?」と声を掛けられます。

「違う、私の名は清川誠一郎…」

 そして鏡を見るとパニックに。というのも、外見が自分ではなく知らない女性だったからです。実はまつりがトラック事故に遭った際に一緒に巻き込まれたのが清川誠一郎で、その時まつりに憑依してしまったのです。脳内で彼とまつりは話すことができたため、以降繰り広げるやりとりは、まるで一人二役の演技をする落語家のよう。そしてその様子を見てリアクションに困るまつりの同僚たち。状況を確認すると、誠一郎の体は眠った状態で入院しているということが分かりました。誠一郎の意識を元の体へ戻したいけどその方法が分かりません。ということで、「元に戻る方法はきっと見つかる!」と強いポジティブな思いで今を生きることにした誠一郎。それにまつりは同意し、奇跡を待つことになりました。その奇跡には、まつりが憧れていた取引先の“王子”との甘酸っぱい出来事も加わってきます。さぁ、おじさんの憑依によってまつりの日常は果たしてどうなるのでしょうか。

 ということで、今回は女性主人公の意識におじさんが憑依しちゃうという物語です。憑依は当初、まつりには迷惑この上なかったのですが、そのおかげでまつりの恋は良い方向へ進展するなど、まんざらでもなくなって……。ちなみにこの恋の進展は、おじさんの“とある理由”によってのものなのですが、それはぜひ本編にてご確認を。

 おじさん憑依エンカウントに翻弄されるまつりの、全くもって予測不“脳”なドキドキのドタバタ劇をどうぞお楽しみください。以上、ここまでのお相手はハモリでした。

マンガPOP横丁

文・手書きPOP=はりまりょう

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