初老の娘と老母と老猫 再同居物語 (1) (Nemuki+コミックス)
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「初老の娘と老母と老猫 再同居物語 (1) (Nemuki+コミックス)」のおすすめレビュー
母80代、娘50代。水と油のふたりが再び同居したら……? 親という“もっとも身近な他人”と付き合うヒント
『初老の娘と老母と老猫 再同居物語』(松本英子/朝日新聞出版)
どうもそりが合わない。距離が近くて遠慮がない分、一緒にいるとイライラしてしまう。肉親との関係に、そんなモヤモヤを抱えている人は意外と多いのではないだろうか。特に、母と娘の間はこじれやすいもの。就職や結婚を機に親元を離れ、気持ちがラクになった人も少なくないだろう。
『謎のあの店』(朝日新聞出版)や『荒呼吸』(講談社)、『旅する温泉漫画 かけ湯くん』(河出書房新社)などで知られるマンガ家の松本英子さんも、母親とは微妙な間柄だった。喜怒哀楽が激しく、何でもテキパキこなす母。母親の嵐のような激情に晒されながらも、自分を曲げることはしない松本さん。水と油のように相容れないふたりは、若かりし頃からバチバチとぶつかってきた。松本さんが27歳で結婚して実家を出てからは、母娘それぞれの道を歩んできた。
だが、歳を重ねたことで、ふたりの関係に変化が訪れる。病気を患い、以前のような勢いのないひとり暮らしの母。離婚を経験し、更年期という大波に見舞われている松本さん。それぞれ80代と50代になり、お互いに体力も…
2023/7/4
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『初老の娘と老母と老猫 再同居物語』(松本英子/朝日新聞出版)第3回【全8回】
テキパキ派の母とのんびり屋の娘。昔は喜怒哀楽がはっきりしていて嵐のような存在の母が苦手だった…。もう実家に帰ることはないだろう…そう思っていた娘が50代半ばになった時、母は病気で弱り、かつての勢いもなくなっていた。そんな母を見た娘は、ひとり暮らしをやめ約23年ぶりに実家に帰省することを決意。年をとりパワーダウンした2人はお互い庇い合いながら生活していく。水と油のような存在の母と娘で、再び始まる同居生活は一体どうなる!? 第4回~第8回は3ヶ月の期間限定公開です。『初老の娘と老母と老猫』で、じんわりと胸に響く心温まる家族エッセイをお楽しみください。
2023/7/2
全文を読む弱ってきたのは母だけではなく私もだ。離婚し自由の身だと思っていたけど何かが変わってきた/初老の娘と老母と老猫②
『初老の娘と老母と老猫 再同居物語』(松本英子/朝日新聞出版)第2回【全8回】
テキパキ派の母とのんびり屋の娘。昔は喜怒哀楽がはっきりしていて嵐のような存在の母が苦手だった…。もう実家に帰ることはないだろう…そう思っていた娘が50代半ばになった時、母は病気で弱り、かつての勢いもなくなっていた。そんな母を見た娘は、ひとり暮らしをやめ約23年ぶりに実家に帰省することを決意。年をとりパワーダウンした2人はお互い庇い合いながら生活していく。水と油のような存在の母と娘で、再び始まる同居生活は一体どうなる!? 第4回~第8回は3ヶ月の期間限定公開です。『初老の娘と老母と老猫』で、じんわりと胸に響く心温まる家族エッセイをお楽しみください。
2023/7/1
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初老の娘と老母と老猫 再同居物語 (1) (Nemuki+コミックス) / 感想・レビュー
kokada_jnet
「散歩の達人」「猫びより」と、20年前の我々夫婦が愛読していた雑誌にエッセイ・コミックを描いていた松本英子先生。久しぶりに読んだが、日常の感情のうずきを描くのが、相変わらずうまい。ヒット作「うちのハナちゃん」と同じ、登場人物だが、今回は母堂のキテレツぶりを描く作品。(以前の作品では、普通のお母さんだった)
2024/01/21
りー
わかりみがつよすぎる…とはこの事。私も実家帰還組になったばかりなので、自分の事を描かれているような変なドキドキ感すら感じてしまった。そうそう、うちも母がテキパキしていて、何でも自分でできちゃう人でvs私はのんびりマイペース派で、出来ることと出来ないことの差がはっきりしていて…。つまり、あまり気が合う方ではなかったのだ。お互い「大人になって」相手に合わせることもちょっと学び、少しずつ労りあって暮らしている。あと何年続けられるかは分からないけれど、きっともう、大きな喧嘩はしなくて済むだろうなぁ、という予感。
2023/06/22
くさてる
80歳の老母と暮らす50代の娘。その生活の難しさと楽しさ、やさしさと厳しさを押しつけがましくなくしずかに語るコミックエッセイ。家族ネタのコミックエッセイって、露悪的だったり過度にコミカルだったりとおおげさなことも多いのですが、この作品は、シビアな状況でも読ませてしまう構成と読後感の良さが丁寧な仕事ぶりで、つくづくマンガがうまいと思いました。生活の良さ、が感じられる良作です。同世代にはほんとにおすすめ。
2024/04/17
ごま
行動パターンの異なる母子。離れて暮らすほうが平和…わかる。私と母もそう。英子さんの気持ちがわかりすぎて、ほぼ全編に渡り共感しっぱなしでした。でも私と違うところは、気づきがあるところ。かつて自分を苦しめた相手にも、同居によるストレスがあるのだろうと思いやれるところがさすがだと思う。私は恐らく同居することはないだろう。するとどちらかがこの世を去るまでに、あと何日会うことが出来るのか。帰省の度、覚悟をしながらまたねと別れている。
2023/09/11
patapon
いろんな意味で身につまされる1冊。親子だから分かり合えることも共通の思い出もあれば、親子だから絶対許せないこともある。更年期や高齢による体調不良によりパワーが弱まっているから共生できるようになっている、という見方もできますが、歳を取ったからこそ受け入れられるようになることもありますよね。あと、アリちゃんの存在が大きい。2人きりだと苦しくなると思う。
2023/07/18
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