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ファミリー・レス

ファミリー・レス

ファミリー・レス

作家
奥田亜希子
出版社
KADOKAWA/角川書店
発売日
2016-05-27
ISBN
9784041039045
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ファミリー・レス / 感想・レビュー

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おしゃべりメガネ

最近、すっかりハマっている奥田さん作品の3冊目になります。瀬尾まいこさんや原田マハさんとはまたちょっと違った安心感と千早さんや彩瀬さんともまたひと味違った独特な雰囲気の作風がお気に入りです。本作もタイトルにあるとおり’ファミリー’をテーマに6編で綴られる連作集で、微妙な繋がり方がステキです。各章で登場する人物を別の章でまた違った目線から物語を展開させていくので、気がつけばイッキに読んでしまっていました。たたふんわりと優しいだけではなく、厳しさと愛情の微妙なバランスがクセになる作家さんで、今後も楽しみです。

2018/07/14

いつでも母さん

何処かで繋がる連作短編集。ちょっと帯はアレだったけれど・・私のなかの棘をちょっと刺激してくれた。これも家族・・あれも家族・・微妙な関係・微妙な自分の心の揺れを代替して紡いでいた。6作どれも読了後の心地よさが好き。着地点が様々なのが好き。ハッピーエンドで、ちゃんちゃん。の物語も好きだけれど、ほんの少し苦さがあるのも好きだ。まぁ、好みはあるだろうが、家族ってなんだろうね・・『指と筆が結ぶもの』のじいさん(祖父)が好きだった。

2016/09/15

モルク

様々な家族のあり方を描く短編集。あっけらかんと生きているようで、人知れずいろんな問題を抱えている。血の繋がりが問題を深くすることもあれば、血が繋がってない人が家族以上のものとなることもある。亡くなった双子の姉の娘を引き取った妹夫婦を描く「いちでもなく、さんでもなくて」が好き。妻と離婚し2ヶ月に1度娘と定期的に会う男。娘の成長と共に関係性は変化し、出席した娘の文化祭の合唱では余計なことを言ってしまう「ウーパールーパーは笑わない」には共感。でも成体化したウーパールーパーはちょっと見たくないな。

2021/09/02

kotetsupatapata

星★★★★☆ 派手な展開は全く無く、ただ単に家族の微妙な距離感を描いた6編の連作短編集。 愛おしいのに時折憎たらしくなる 側に何時もいるからこそ煩わしさも感じる “家族”って本当に面倒臭いものです。 一見家族とは関係性が無さそうなタイトルも読みこんでいくと成る程と唸らされる構成は流石。 どの話しもホロリとしましたが、端からみると痛々しくみえる行動も、亡き姉とこの世に生を受ける事が出来なかった子供の喪失感を埋める為だった「いちでもなく、さんでもなく」がベストです。

2022/08/24

ちょき

図書館で新刊をインスピレーションで選んでみたが『大正解』。完全な家族の形態からはどこか一部が欠落していてる人たちの話。短編集だがどこかしら一部の人が関連があって、砂田麻美『一瞬の雲の切れ間に』と似てる。どの話も、我慢があったり、悩んだり、誰もが遭遇しそうな人生の一場面を絶妙な切り口で表現している。時折、思わずメモしたくなるようなドキッとする文章があった。今回は図書館で借りたが、文庫化されたら自分の本棚用に買おうかと思っている。最終話の「アオシは世界を選べない」が難しい話を犬目線でまとめており良作だった。

2016/07/21

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