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あさとほ

あさとほ

あさとほ

作家
新名智
出版社
KADOKAWA
発売日
2022-07-01
ISBN
9784041126097
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あさとほ / 感想・レビュー

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パトラッシュ

夏日と青葉が双子の時間と、夏日だけと青葉だけの時間。この3つの並行世界を、ひとりの魂が不思議な布を媒介に次々と転生していく。夏日(たち)だけが同じ記憶を持ち、明人や藤枝をはじめ周囲の状況や過去は少しずつ異なる物語を紡ぐ。この時の扉の役目を果たす布は謎の物語「あさとほ」と結びつき、古くからそれに気付いた者だけが信じ難い真実に辿り着く。知らずに接触すると狂気に陥ったり、逆に謎に取り憑かれ人生を棒に振ってしまう「あさとほ」と布の力に疲れた夏日は、最後は物語のない世界を選び自分が新たな物語を創ろうと決意するのだ。

2022/12/05

ちょろこ

ゆらめきの一冊。"消失"を軸に描かれるなんとも不思議な物語。消えた人を追って、消えた書物を追って、掴みどころのない不思議な世界がかげろうのようにゆらめいて心を誘う。今、自分が居る、見せられている世界はどちら?不安定な足元のゆらめきを感じ、霧の向こうにある出口を彷徨い、思わず確かなカタチあるものに触れたくなる感覚になる。この世は物語の絡み合い⁇縦糸、横糸がゆらめき、めくるめく結びつきの物語。眠る支配者から生まれる物語。最後はゆらめかない、ゆるぎない"好き"が美の布に包まれて確実に残る。うん、理屈抜きに好き。

2022/09/23

nobby

ーだって、そういうお話なんだもの。関わった人物が次々と消失する『あさとほ』とは何なのか?それは少女時代に突如消えた双子の妹にも起因するのか!ぐらぐら…いわゆる神隠しとか、怪しき古典書物など興味深いワードにすっかり引き込まれ…ゆらりゆらり…幻想とか物語とかハッキリしない解釈に何だかはぐらかされ…ふわふわ…「…頭が変になりそう」もう後半の怒濤と混乱で掻き回される展開を必死で追うばかり…わさわさ…落ち着かないまま目にする結末は極めて美しい…きらきら…何気ない想いが生み出す糸の紡ぎだす世界は間違いなく彩り鮮やか♬

2022/10/03

モルク

夏日は幼い頃双子の妹青葉が目の前で突然いなくなるという経験をしているが家に帰ると誰も青葉のことを覚えておらず彼女が生活していた形跡も消えていた。青葉を覚えているのは夏日と幼なじみの明人だけ。大学生となった夏日の担当教授が突然消え、友人も自殺。どうも平安時代の「あさとほ」という文学が関わっているらしい。それを調べていくうちに…。青葉との関連は…。物語によって存在するもの。物語を生み出す布、布自体が物語。そして布に自分自身が織り込まれていく。ホラーミステリー、パラレルワールド?「虚魚」の作家さんか、なるほど。

2022/12/23

machi☺︎︎゛

青葉と夏日は双子の姉妹だった。ある日夏日の目の前で青葉は消えた。だけどみんなの記憶の中に青葉は初めからいなかった。大学生になり「あさとほ」という不思議な物語に出会った夏日はその物語に関わった人がいなくなる現象について詳しく調べる事に。そこに共通している事は「幻想の共有」。ロマンチックな言葉に見えて待っていたのは実はとても恐ろしい現実だった。古典のことが詳しかったらもっと楽しめただろうけど面白かった。

2023/02/23

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