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透明人間は204号室の夢を見る

透明人間は204号室の夢を見る

透明人間は204号室の夢を見る

作家
奥田亜希子
出版社
集英社
発売日
2015-05-01
ISBN
9784087754254
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透明人間は204号室の夢を見る / 感想・レビュー

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おしゃべりメガネ

奥田さん作品2冊目です。本作を読んだのが2作品目で良かった?なぁと。本作が最初だったら、正直奥田さん作品に対するくいつき具合も違ったモノになっていたかもしれません。高校生の頃に小説を書いて賞を受賞し、一躍時の人となったものの、その後は続けて作品を書くことができず苦悩する主人公「実緒」。バイトをしながらもなんとか文章を書くことは諦めず、暮らしています。他者との関わりが苦手な彼女があるトキ、書店で自分の作品を手にする男性を見かけます。その男性を知らず知らずのうちに追ってしまい、実緒の生活は一変してしまいます。

2018/06/19

風眠

なんて美しい文章を書く作家なのだろう。「目に見えない本がある。」という謎めいた書き出し、そして「目に見えない」理由が明らかになっていくまでの描写。目の前にあるもの、目には見えない心、それらが本の中からフワッと立ち上がり、私の中で像を結ぶ。書き過ぎず、想像させる絶妙な匙加減。気付けば私も主人公・実緒と同じ妄想を見ている。そして実緒の孤独は、私の孤独であるかのように感じる。本の中の人物とこんなにも同化したのは初めてだ。実緒が小説家としてもう一度踏み出そうとするラスト。私の中の孤独も風になって吹き抜けていった。

2015/05/30

takaC

「全裸生活」なんかでミスリードされてたわけではないと思うけどすっかりミスレッドしてたのか自分。海ドライブ以降のキレイな収束に目を見張った。同著者の他の小説も読んでみよう。

2015/07/31

taiko

友達のいない孤独な学生時代を過ごしていた実緒は、高校生の時にとある出版社の新人賞を取ったものの、その後新しい作品を書くことが出来ずにいた。 独特の感性を持った実緒に共感は出来なくとも、小説を書く人ならではのものなのではと、興味深く読みました。 人とコミユニケーションをとるのことが苦手で、その結果妄想する楽しみを見つけた実緒、春臣に対してストーカー紛いのことをしてしまったり、全裸で暮らしていたりと言うのは、少し病的なものを感じてしまいました。 結末は、ある程度予想通り。 →続く

2018/09/05

ベイマックス

なんちゅう物語だ。妄想の世界観と現実が同居している。〇でも、極端なはなし、物語は作者の妄想ともいえなくもない。それを奥田氏は物語に仕上げてみた。そして、違和感なく読ませる作品に仕立て上げたのはすごい。

2023/11/30

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