青春のジョーカー
「青春のジョーカー」のおすすめレビュー
『王様のブランチ』で紹介! 「思春期の性」を赤裸々に描く『青春のジョーカー』に誰もが共感する!
『青春のジョーカー』(奥田亜希子/集英社)
もてないやつは、この世で一番悲惨な生き物だ。もてない自分は、「この先ずっと、楽しいことがなにもないような気がする」──私も、そんなふうに考えていた。中学や高校に通っていたころの話だ。狭いところで、密閉された関係の中、誰かの言葉に、振る舞いに、いつだって傷ついていた。私もたしかに感じていた。「思春期とは、地獄の別称だ」と。
誰しも覚えのあるそんな時期を、赤裸々に描く作家がいる。こじらせ女子とアイドルオタクの恋愛を描いた『左目に映る星』(集英社)で、リアルな現代人、その感情の変化を繊細に描き出し、すばる文学賞を受賞した新鋭・奥田亜希子だ。繊細な文章で、読み手の予想したストーリーを鮮やかに超えていく彼女は、『王様のブランチ』(4月7日放送)でも紹介され、直木賞作家の朝井リョウにも「新刊が出たら絶対読もうと思っている」作家だと絶賛されている。
そんな彼女の最新作『青春のジョーカー』(集英社)は、学校空間で生徒のあいだに自然発生する序列、“スクールカースト”がテーマだ。
「世界が二層に分かれていることに気づいたの…
2018/4/28
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青春のジョーカー / 感想・レビュー
おしゃべりメガネ
奥田さん作品の4冊目です。なかなか多才なテーマで次々と作品をぶつけてきてくれるので、読むのが本当に愉しい作家さんです。今作のテーマは’性’と’異性への憧れ’、そして’友情’かなと。誰もが何かしら覚えのある青春の出来事を淡々と綴り、時に淡く描きながら物語は進みます。主人公な中3男子の「基哉」で普段はクラスでも目立たない存在で、日々悶々と過ごしています。「基哉」をとりまく状況が、様々な出来事によって変化し、彼自身も成長していく姿がなんとも逞しいです。友人の『友達は自分で選ぶ』のセリフに胸がアツくなりました。
2018/07/15
fwhd8325
あーいやだ。あの頃を思い出しちゃったよ。ほのかな年上の異性へのあこがれではなく、なんだか生々しい感じの物語だった。だけど、それもいつか来た道。ほとばしっていた季節。女子はどうよって思うけれど、男子はみっともないくらい目覚めてくる頃だから、一大事なんだよね。あの頃は、これで人生決まってしまうような感覚です。面白く読みました。
2018/10/03
うどん
よかったー!面白いです。中学生の恋愛関係、兄弟関係、友だち関係…。奥田亜希子さん好きになりました。
2018/05/16
のぶ
タイトルの通り青春のエッセンスがたくさん詰まった小説だった。主人公は中学三年生の島田基哉。こんな時代は自分にとって遥か昔のことで、普段思い出すことは滅多にないし、本作でのスクールカーストなんて言葉は当時なかったけれど、似たようなものは存在していた気がした。そんな最底辺のグループに所属している基哉だが、それなりの考えと欲望を持って行動している姿は卑屈ではなくむしろ爽やか。修学旅行の描写等、活き活きと描かれている部分も多く、久しぶりに若き時代を思い返させてくれた一冊だった。
2018/06/24
ででんでん
後半読み飛ばし気味。心身ともにfreshで可能性の塊だけど、枠から飛び出す術を持たない中学生は大変。でも基哉も咲も、きっと素敵な大人になる。
2018/04/09
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