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カラダは私の何なんだ? (河出文庫 お 46-2)

カラダは私の何なんだ? (河出文庫 お 46-2)

カラダは私の何なんだ? (河出文庫 お 46-2)

作家
王谷晶
出版社
河出書房新社
発売日
2023-07-06
ISBN
9784309419770
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カラダは私の何なんだ? (河出文庫 お 46-2) / 感想・レビュー

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練りようかん

カラダは自分のものだが、他者の勝手な紐づけに振り回されがち。各回エッセイタイトルがユニークで、王谷さんの怒りが随所で炸裂、どんな器官でも性的に妙な意味づけをされてしまうのは本当に謎で、豊富なエピソードに何度も膝打ちした。特に興味深かったのは声で、女子の声が低いと生意気や失礼と言われ、しかし高ければいいわけでもなく性役割分担の概念と濃い繋がりを感じる。一方イケボなんて男子も揶揄や幸運色々思うことありそうだ。社会人としてTPOの適切な声の出しどころが年々狭くなってるのも“やわらか洗脳”だなと気付かされた。

2024/02/25

イシカミハサミ

タイトルがすべて。 これを誰にも言わせない世の中がくるといいな。 ただ著者の性格、生活からよりこの言葉が発せられる環境に近づいた感もまた否めない。 あらゆる“悪い事”はそれを実行する者がいちばんの元凶であるのは前提として。 とはいえそれを根絶することは不可能と言っていい。 ちなみに大人になってからは女性のほうがルッキズムに晒されるだろうけれど、 中学生くらいの思春期の時期は男の方が残酷であからさまな目に遭っていることは留意が必要だと思う。

2023/12/27

きょん

体を巡るあれこれのセクハラやパワハラめいた言説は、今ではだいぶ影を潜めているように見える。でも見えるだけで、ネット社会等々では逆に差別上等みたいなヤバい状況だ。例えば本書からは離れるが、やまゆり園事件の犯人を称えるようなSNSでの流れしかり。それは逆に怖い。深く潜ったハラスメント感情が表層に出てきたときは手遅れだ。有無を言わさぬ暴力につながりかねない。本当に、ハゲデブイ◯ポ、言われたら嫌だろ?じゃあお前も言うなよってそれだけ。それだけなんだけど、こういう問題は闇が深くて難しい。

2023/07/26

かす実

高校生の頃に毎週更新をとても楽しみにしていた思い出のコラムが文庫化していた。身体の部位を入り口にしたエッセイで、当時の私にとってはフェミニズム入門みたいなものでもあったんだろうな、と読み返してみて思う。今では自分の心身の奥深くまで染み込んで、もはや前提になっているようなフェミニズム的な観点や事例の数々も、当時の私には新鮮だった。勢いのある陽気なギャグ文体も楽しい。女の身体から社会的な意味性を剥ぎ取って、素のままの自分自身の肉体と向き合おう、という一貫したメッセージに満ちていて、元気になる。

2023/08/06

訪問者

単行本で出ていた『どうせカラダが目当てでしょう』(何てタイトルだ)を改題して文庫化したもの。『ババヤガの夜』が良かったので、こちらも読了。なかなか面白い。

2024/05/01

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