SFファンは読まずにはいられない! SFアンソロジーシリーズが電子化!
宇宙旅行だって夢ではない現代、思い描いていた未来が現実となってしまえば、SF作家は商売あがったりか、と思いきや、その人気は高まるばかりだ。現実味が増せば増すほど、SF小説は深みが増していく。科学技術が進化するほど、SF小説の幅が広がっていってきているといっても過言ではないだろう。
大森望責任編集『NOVA 1 書き下ろし日本SFコレクション』は日本SF書き下ろしアンソロジーだ。河出文庫創刊30周年の記念企画である『NOVA』は大森氏の「本格SFの短編が定期的に載る媒体がもう少しあってもいいじゃないか」という発案で立ち上げられたシリーズ。その記念すべき第1巻である本作は、2010年代の日本SFの中軸を担うべき作家たちの作品11編が集められているのだから見物だ。伊藤計劃、円城塔、北野勇作、小林泰三、斉藤直子、田中哲弥、田中啓文、飛浩隆、藤田雅矢、牧野修、山本弘という作家のラインナップは元からのSFファンもこれからSFに挑戦しようという者も必読のものといえる。
この本に収められている作品は、狭義のSFには該当しない幻想譚から本格SFまで傾向はさまざ…