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1947

1947

1947

作家
長浦京
出版社
光文社
発売日
2024-01-24
ISBN
9784334102005
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1947 / 感想・レビュー

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starbro

長浦 京、4作目です。本書は、敗戦直後英国人将校復讐冒険譚でした。面白くなくはないですが、内容の割に冗長(600頁超)過ぎる気がします。英国人でレイシストの主人公は、読者に共感されないと思います。 https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334102005

2024/03/01

パトラッシュ

敗戦間もない東京に着いた英軍中尉が見たのは、むき出しの欲望をぶつける人のあさましさだった。GHQの米軍高官は権力争いと金儲けに狂奔し、先日までの敵に日本人は恥もなく媚びへつらい、朝鮮人やヤクザは金次第で敵にも味方にもなる。戦時中に処刑された兄の仇討ちが目的の中尉は、不本意ながら日本人と協力したり支援を求めて行動するうちに、自分も彼ら同様の悪だと悟って強固な人種差別の信念が解凍していくのを自覚する。共感できない登場人物ばかりだが、勝者敗者を問わず戦争が人心を荒廃させ英雄など存在しない現実を容赦なく描き出す。

2024/02/27

しんたろー

長浦さんの新作は1947年の東京が舞台…戦時中に兄を日本兵に惨殺された英国将校・イアンが復讐の為に来日し、様々な事件に巻き込まれる物語。まず、主人公が差別主義者で、アジア人を「猿」と見ている点が珍しい。登場人物たちは皆、一癖も二癖もあって魅力的だし、敵味方が二転三転する展開も面白かった。しかし、ストーリーに強い引力感じず、イアンにも感情移入し辛かったので、600ページ以上のボリュームが必要だとは思えなかった。戦後の情景や会話の妙は著者の腕前が発揮されていて映像的でもあり、飽きる事無く楽しめたのは良かった。

2024/03/27

ナミのママ

舞台は1947年東京、進駐軍が幅をきかせて混沌とする時代。戦争捕虜だった兄を斬首された英国軍人のイアンが来日する、兄を殺した男達の耳と指を切り取り持ち帰るために。アメリカ人も日本人も韓国人も認めないプライドの高いイアンの尖り方がなかなかだ。そしてGHQ内の派閥争い、ヤクザ、政界、我が身と家族を第一優先として生き抜こうとする者達は誰が味方で誰が敵か。最後の戦いの場面は息を詰めて読んでしまう緊迫感。600ページ超えの大作だが一気読みだった。

2024/02/12

ずっきん

長浦京の剛腕炸裂。冒頭から予想も期待もバッキバキにへし折られていく。最高かよ。情報戦とアクションの緩急は『リボルバー・リリー』と『アンダードッグス』と『プリンシパル』を掛け合わせ「洗練」で磨き上げた棍棒のよう。素晴らしい。ああ、メッタメタに叩きのめされる幸せよ。棍棒だらけの登場人物の中、東洋人を猿と呼ばう人種差別主義者の英陸軍中尉を主役に据えるなんて離れ業に拍手喝采。イアン最強かよ。エスピオナージやピカレスクをさんざ舐めてきた手練れの読手にも、自信を持って強推薦する。長浦京に一生ついてゆく決意を新たに♡

2024/04/20

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